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みんなの「俳句」ブログ


10月句会「結果」

2017/10/11 01:21
  第61回 10月句会「結果」
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※次回11月句会は2句出しで
 10月31日(火)午後5時投句締め切り
 選句は11月7日までの一週間です

特選句 選評集

4.伏せたまま枯野になった一連隊(昌一郎)
【加藤直克さん評】
台風でなぎ倒された草原が立ち上がることなく枯れ野になった光景が
目に浮かんだ。それが突撃して死屍累々となった一連隊のイメージを
喚起したのだろうか。哀惜と鎮魂の想いに圧倒された。


16.月光のところどころに死のリズム(基道)
【朝吹英和さん評】
月光を浴びて変身する伝説は狼男や吸血鬼などにも見られ
る通り、月は生命感溢れる太陽とは反対に「死」の象徴である。
中七の「ところどころ」が不気味で効果的。


18.鬼やんまの頸にまたがり大井川(一彦)
【鈴木浮葉さん評】
フイリップ・プルマンの「ライラと黄金の羅針盤」シリーズに
鬼やんまの頸にのる妖精?の女王だか魔女がいた様な気がします。
それを彷彿させてなんだか好きな句。大井川にもいたら楽しいし、
自分もその視点から自然を見たらどうだろう、とわくわくしました。

【真矢ひろみさん評】
一読、爆笑。この程度の嘘は、文芸の歴史、短詩型の大いなる
伝統から見れば、ごくごく一般的なことに相違ない。

【森信之さん評】
大きな鬼やんまを見るとそんな気分になります。
ファンタジーあふれ、発想がとても新鮮で、
そうして大井川を渡ってみたいと思います。


19.雨上り虫の音を聞く石仏(信之)
【星人評】
もう表情も見えない風化仏だろう。
もし表情が分かれば、
雨上がりの虫時雨に相好を崩しているのかも知れない。


22.黄葉して貌消えてゆく貉かな(龍子)
【大津留直さん評】
ムジナは、民話などで山道などで人を化かすと言われている。
特に、木々が黄葉する頃には、ムジナの貌が黄葉に紛れて、
人を化かし易くなるという想像力がこの句には働いている。
貌と貉の漢字の類似性も楽しい句である。


23.小鳥来るパンとサーカスを見尽くして(龍子)
【石田桃江さん評】
小鳥来るに人生を重ねて長い長い歳月にパン(日常)と
サーカス(非日常)を十分に見ることが出来た。
見尽くしてに力強さを感じました。


24.刈り終えし稲の根っこが仰ぐ星(哲央)
【五島高資さん評】
稲刈りの済んだ田圃はもの悲しいものがある。
しかし、よく見ると稲の根元がずらりと並んでいる。
根はやがてまた土となり生命の循環に組み込まれる。
星々もそのことをよく知っている。
元をただせば稲も星々の欠片なのだから。


25.帚木に通ふ血汐や朝の星(高資)
【加藤昌一郎さん評】
空蝉も源氏も禿でもパイパンでもなかった。
二人は血汐通わす一線を越えた。
夜通し見ていた星は寝不足の朝を迎えて迷惑だった。


27.泰然と「菩提薩婆訶」を紙魚泳ぐ(ひろみ)
【阪野基道さん評】
泰然自若と般若心経を唱え、その余韻の中を泰然自若と紙魚が
行き来する。経文の中へ紙魚が悟りを求めて「走る」のではなく、
悟った紙魚が「泳ぐ」に、なるほど、と感心。


30.川風に乗りかへてゆく秋の蝶(星人)
【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。「秋の蝶」は力なく弱弱しい秋に見かける蝶。
言葉のままに解釈すれば、秋の蝶が自力で飛ぶのを諦めて川風
に身を任せて飛んでいるという句意だろうか。写生句とみれば
「乗りかへてゆく」という風に作者には蝶の動きが見えたということ
である。地上に現れた蝶も川風に乗りながら川に落ち、海に還る。
「秋の蝶」は作者の分身なのかもしれぬ。


31.写楽の手ぱつと開かれ花野かな(星人)
【服部一彦さん評】
花野に対面した時の新鮮な驚きが如実

【於保淳子さん評】
力強く開いた手とそこに現れる花野の景色が鮮明に見えるような気がします。
この取り合わせが面白いと思いました。




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10月句会「選句」

2017/10/03 10:55
6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
10月10日(火)午後5時締め切り

1 てっぺんに鵙の高鳴く空気かな
2 掌に五悪の座す月明り 
3 頬撫でていく潮風の匂いは秋    
4 伏せたまま枯野になった一連隊   
5 金風のゆれる洗濯物の影      
6 葡萄剥くぽたんと光る雫かな    
7 かりがねの棹うちしなり天を撃つ  
8 唇に南無燃えさかり彼岸花     
9 得たものと失ったもの秋の声    
10 枯野めく卓やアボガドなる爆弾   
11 地芝居の受難劇かな訥々と      
12 秋耕や星の祈りの届くまで      
13 端渓に下ろす穂先や今朝の秋     
14 十月のメトロの風は頬を切る    
15 次の間を抜けし松籟秋高し     
16 月光のところどころに死のリズム  
17 反戦の歌をつぶやく鰯雲   
18 鬼やんまの頸にまたがり大井川   
19 雨上り虫の音を聞く石仏      
20 桜黄葉散り染む下を鯔上る     
21 秋風や駐屯兵の急ぐ先   
22 黄葉して貌消えてゆく貉かな
23 小鳥来るパンとサーカスを見尽くして 
24 刈り終えし稲の根っこが仰ぐ星   
25 帚木に通ふ血汐や朝の星
26 己がじし響動んで空し竹の春    
27 泰然と「菩提薩婆訶」を紙魚泳ぐ
28 悪人も笑顔ありけり御講凪     
29 いつぱいに伸ばすアンテナ星月夜
30 川風に乗りかへてゆく秋の蝶
31 写楽の手ぱつと開かれ花野かな
32 連山の赤を集むる秋の川





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10月句会告知

2017/09/30 09:44
投句少なく、10月句会の選句公開は3日正午とします

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9月句会「結果」

2017/09/10 16:28
  第60回 9月句会「結果」
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※次回10月句会は2句出しで
 9月30日(土)午後5時投句締め切り
 選句は10月7日までの一週間です

特選句 選評集

6.迎え火のゆらぎてほっと消えにけり(淳子)
【五島高資さん評】
精霊の到来を彷彿させる。家に着いた安堵感も感じられる。

9.三日月の色吹き込めて草の笛(直克)
【加藤昌一郎さん評】
猛暑の一段落しそうな秋の入り口。
今日この頃、草笛の音色は本当に
爽やかなご馳走です。

11.月かくれまたこおろぎのこゑばかり(龍子)
【大津留直さん評】
表記に誤り、おそらく、ケアレスミスが一つある。
「こおろぎ」は「こほろぎ」。なぜなら、「こゑ」が旧仮名遣いなので、
一句にはその点に関して統一が必要。それにもかかわらず、佳句である。
一時、出ていた月がかくれてしまった。それで、あたりは再び、
コオロギの声がするばかりとなってしまった、というのだ。月がかくれ、
あたりが暗くなることによって、われわれの聴覚が研ぎ澄まされ、
コオロギの声の「あはれ」が、より深く感じられるのである。

12.ことばよりことばこぼれてこりんだう(龍子)
【阪野基道さん評】
声として発せられた言葉から声にならない言葉がこぼれ、
声にならない思考中の言葉から意識されざる言葉がこぼれてゆく。
歯痒さではなく、言葉が次々と生まれてゆく楽しさ、その広がりに
言葉の不思議を感じる。そして、「こ」音の連なりと、
散りばめられた濁音が、軽やかな調べを奏でている。

14.夏の果まろき心の軋みかな(信之)
【松本龍子さん評】
一読、「いのちの揺れ」を感じる。「夏の果」は夏の終わりのこと。
いのちの横溢感が満ちる夏を過ぎて丸い心がぎしぎしと音を
立てているという句意だろうか。「いのちの揺れ」という印象は
「軋み」という言葉からきている。作者は「心音」の動きの中に、
宇宙の根源的な性質をはっきりと認識している。

15.金魚の肉柔らかそうな夜である(昌一郎)
【星人評】
金魚の鰭とか動きなら、柔らかが分からないでもない。
が、ここは肉である。
観賞の範囲を超えた視線からは、愛玩の思いは感じられない。
この句はすべて夜に支配されている。夜だから見えるものがある。
文語では出せない、つぶやきのようだ。

20.胸底の昏きを探る秋灯(浮葉)
【森信之さん評】
心の底から晴々としない自分を感ずる。
何がどうしてそうなのか。いつも憂うつな
気分でいる自分の心の奥底を探ることが
できるならそうしたい。
秋灯が実にぴったり。

23.木下闇更なる闇の垂れてゐる(ひろみ)
【朝吹英和さん評】
真夏の日盛りから急に木下闇に入ると目眩がする事がある。
木下闇の中に更に闇が存在しているという発見に得心。

【石田桃江さん評】
木下闇の続く径を歩いている時の感じが伝わってきます。
径の遠くを見やると「闇の垂れてゐる」ように思えた。
「闇の垂れてゐる」が心の動きまで感じられます。

27.秋水に残されてゐる素顔かな(ゆう)
【加藤直克さん評】
ことさら素顔というのは、素顔で接することのできた女性の
顔だからであろう。そしてその素顔は再び見ることはできない
という別離の思いが伝わってくる。
秋はものを思う季節。万感胸に迫る句である。

【於保淳子さん評】
澄んだ水に映っている自分なのか、水に洗い
流されて余計なものを取り去った自分なのか。
その素顔は、好きでも嫌いでも、清々しい自然体の自分。

28.径広くなりて蜻蛉の國に入る(星人)
【服部一彦さん評】
確かにそういう感じがある。だが写実だけでなく、
実生活でも前面が開けると自己の視野や思考の幅と深さが増す
という哲学的な側面を言い表しているともいえよう。
中村汀女の名句なども思い出させる。

【真矢ひろみさん評】
径は本当は広くなっていない。
蜻蛉を媒体に異界に踏み入ったのである。

30.俳句てふ仮想空間より飛蝗(星人)
【鈴木浮葉さん評】
緑色の殿様飛蝗が飛び出してほしい。


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9月句会「選句」

2017/09/03 13:05
  9月句会「選句」

6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
9月10日(日)午後5時締め切り

1 慕はしき濁世の声や蝉しぐれ  
2 難問を難破船にて解く良夜    
3 記憶の扉閉じて空見る八月尽   
4 おしろいの燃えがら黒し登校日来る
5 かなかなを伝つて明日を賄へり  
6 迎え火のゆらぎてほっと消えにけり
7 啼き初めしちちろに和する風の色  
8 枝々の露の光や母を恋ふ     
9 三日月の色吹き込めて草の笛   
10 朝露の光移ろふ麓かな      
11 月かくれまたこおろぎのこゑばかり
12 ことばよりことばこぼれてこりんだう
13 百日紅負けじと咲きて我も又    
14 夏の果まろき心の軋みかな    
15 金魚の肉柔らかそうな夜である  
16 新涼や今朝そのままに供華の水  
17 秋に入り雨の切尖煙るかな    
18 酔芙蓉の片言隻句糾問す     
19 錨星闇の色こそ宇宙色      
20 胸底の昏きを探る秋灯      
21 鉄風鈴うつほに籠るものの鳴る
22 手を洗ひ雲を瞠るや長崎忌
23 木下闇更なる闇の垂れてゐる   
24 水音の止む眼裏や終戦日    
25 骸骨の軋むロンドや銀河濃し
26 赤き糸天牛虫に切られけり    
27 秋水に残されてゐる素顔かな
28 径広くなりて蜻蛉の國に入る
29 鉄を打つたびに震へる露の玉
30 俳句てふ仮想空間より飛蝗

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8月句会「結果」

2017/08/10 15:00
  第59回 8月句会「結果」
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※次回9月句会は2句出しで
 8月31日(木)午後5時投句締め切り
 選句は9月7日までの一週間です

特選句 選評集

1.草いきれクルスに軋む釘の音(英和)
【大津留直さん評】
おそらく、島原・天草のキリシタンの殉教者たちを偲ぶ一句であろう。
作者は、そこで生い茂る夏草の草いきれの中に、磔刑になった殉教者たち
をクルス(十字架)に打ち付ける釘の軋む音を聴いているのだ。もしかしたら、
船越保武の「長崎26殉教者記念像」を見ているのかもしれない。ともかく、
「クルスに軋む釘の音」を聴き続けることの重要性を気付かせてくれる一句だ。

【五島高資さん評】
「草いきれ」と「軋む釘の音」による嗅覚的および聴覚的な詩的効果によって、
十字架にかけられたイエス・キリストが生々しく迫ってくる。

7.私とは私の記憶かき氷(浮葉)
【加藤昌一郎さん評】
私という存在は今かき氷を食べる
私の持っている記憶だけのような物。
食べられてしまえば何も残らない。
寡黙で知的な姿の良い文鎮のような
句と思います。

【森信之さん評】
分かったような分からないような不思議な句で、後まですっと
尾を引いていて、ああでもない、こうでもないといろいろ想いを
めぐらせています。かき氷との取り合わせも絶妙。

【星人評】
この句の「私」は、実在、実体としての私ではなく、
相手との関係性の中にある「私」だと読めた。
愛するひとに「あなたどちらさま」と言われたときのことを
思い出した。そこからつらい日々が始まった。

11.村の子の腰まで浸かる夕焼かな(星人)
【加藤直克さん評】
水面に映る夕焼の中で腰まで水に浸かって
遊んでいる子供たちという情景が浮かんでくる。
でも必ずしも水の中に入らなくてもいいのかもしれない。
この句の夕焼けはなにかこの世ならぬ世界を象徴している
ようにも思える。であれば子供たちの無心の遊びはすでにその世界に
半身を浸しているということなのかもしれない。
俳句ならではの幻想的な世界の広がりを感じさせてくれる名句だと思う。

12.大鯉の横切つてゆく星月夜(星人)
【真矢ひろみさん評】
最近、夏休みの子供を巷にみかけるが
あの明るく、夢想に満ちた日常を思い起こし、
心地よくなりました。

【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。目の前の池に大きな鯉が横切ってゆく、満天の星が
池を照らす月のない夜であるという句意。星明りに大鯉が目の前を横切る
ことに「作者の驚き」が表れている。まるで星空に大鯉が泳いでいるかのようだ。

【阪野基道さん評】
星月夜にまさかの大鯉、景の大きさに惹かれた。
星月夜に泳ぐ魚といえば、シャガールの青を基調にした絵に、
大魚が中空を飛んでいる絵がある。
この句の大鯉も中空をよぎってゆくようだ。
しかし、星月夜の中をどこへ行こうとしているのか。彼岸?

18.明星の微笑み返す蓮の花(高資)
【石田桃江さん評】
夜明けに蓮の花がほほえんで開いている。
明けの明星のかがやきもほほえんでいる。
はるか宇宙と地上の蓮の花のほほえみ返し、
微笑の挨拶。すがすがしい句だと思います。

19.劉暁波墓を残さず夏終る(直)
【鈴木浮葉さん評】
火葬の遺骨はどうなったのか、奥さんの元にあるのかしら。
墓はなくても全世界の人の心にその存在は刻まれる。

20.赤蜻蛉虚空のなかを覗きこむ(龍子)
【朝吹英和さん評】
赤蜻蛉が空中でホバリングしている光景が目に浮かんだ。
虚空には赤蜻蛉にしか見えない世界が存在しているのかも知れない。

26.ひまわりやあいさつ出来て元気な子(桃江)
【服部一彦さん評】
元気な子とそれを見守る大人と心温まる情景。
何より虚飾の無い筆致が好もしい。向日葵が効いている。

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8月句会「選句」

2017/08/03 12:09
  8月句会「選句」

6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
8月10日(金)午後5時締め切り

1 草いきれクルスに軋む釘の音
2 大団扇あおいで風のおもおもし
3 すれ違ふ少女メロンの香りせり
4 空蝉や胎内仏をもてあます
5 素描画の直線鋭くて凉し
6 もどり来て指に停まれる赤蜻蛉
7 私とは私の記憶かき氷
8 水澄むや空のしじまを深めつつ
9 晩年の父の日記や梅雨に入る
10 梅雨寒し母の遺影の畳の間
11 村の子の腰まで浸かる夕焼かな
12 大鯉の横切つてゆく星月夜
13 八月のパレットに緋の凝固かな
14 新涼の山が放ちし翼かな
15 薄雲の単帯して月の山
16 星月夜補堕落山に漕ぎだせり
17 夕花野どこまで行っても端が無い
18 明星の微笑み返す蓮の花
19 劉暁波墓を残さず夏終る
20 赤蜻蛉虚空のなかを覗きこむ
21 水平のやや盛り上がる海月かな
22 傾く日に力をためて蓮の花
23 木刀の汗にじませてゐる殺気
24 収穫の家族で囲む西瓜切る
25 金色の汗絞り出す薔薇の嘘
26 ひまわりやあいさつ出来て元気な子
27 梅雨明くるヘリコプターの爆音澄み
28 変声期の少年撃たむ夏の雲
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7月句会「結果」

2017/07/10 16:53
  第58回 7月句会「結果」
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※次回8月句会は2句出しで
 7月31日(月)午後5時投句締め切り
 選句は8月7日までの一週間です

特選句 選評集

6.日雷そらに考妣の奔るかな(基道)
【松本龍子さん評】
一読、直感的な詩情を感じる。季語「日雷」は夏の晴天時にゴロゴロッと鳴って 、
雨を伴わない雷である。その瞬間に、亡き父母が逃げるように姿をくらましたように
感じたという句意だろうか。普段、意識の外にある亡き父母を、突然の「日雷」の音が
想起させる。それは子供の頃に受けた躾のための叱責かもしれないし、
現在の作者への励ましなのかもしれぬ。

15.昏れがての沈黙を呼ぶラベンダー(哲央)
【大津留直さん評】
太陽が沈もうとしながらも、ゆらゆらと残っている北方の大地に、
その昏れがての大地の静寂を静寂として現すという意味で、
その大地の沈黙を呼ぶようにラベンダーが咲き誇っているのだ。
シベリウスの音楽が聴こえてくるような句である。

17.富士山の艫綱を解く夕焼かな(高資)
【加藤直克さん評】
田子の浦ゆ…ではないが、艫綱を解いて出て行く船から見れば、
ゆっくりと富士山が小さくなるのであろう。しかし掲句ではむしろ
発想を転換させて、遠ざかりゆくは富士という船であると詠んだのではないだろうか。
というのも夕焼け空は富士よりも大きく、かつ広大であるからである。
あるいは夕焼け空そのものを海としてみているのかもしれない。
いずれにせよ息をのむ絶景を感動のまままとめ上げる力量が素晴らしい。

【加藤昌一郎さん評】
富士山が出航するという光景が凄い。
富士の舳先夕焼あたりから錨が上り、
あの巨大な曲線が静かに滑り出す。
想像しただけでも胸が震えるようです。

【朝吹英和さん評】
夕焼け空にやがて沈みゆく富士山を巨艦と見立てた
スケールの大きな景。

【星人評】
皆さんに全部語られましたので、句会の舞台裏の話をします。
この句を読んだ瞬間、これはかなわないと思いました。
実は〈纜を解けばジュラ紀の大夕焼 星人〉を用意していたのですが、
恥ずかしくなって差し替えました。

18.地下鉄に梅雨を持ち込む傘の先(哲央)
【石田桃江さん評】
地上の梅雨を地下鉄で傘の先に
したたり落ちる雨に梅雨を持ち込むとの発想。
愉快な句だと思います。

19.麦秋や町に一つの映画館(信之)
【鈴木浮葉さん評】
ちいさな町に一つは映画館があった時代もあった。
季語「麦秋」が映画の題名を連想させる。映画が庶民の
唯一の娯楽だった時代、そのころのつましい日本人の暮らし、
女言葉や、美しい敬語がありし時代を思う。

【真矢ひろみさん評】
一読、小津の「麦秋」を想起。いわゆる「つきすぎ」との評価も成り立つ。
こういう作句法はほかにも応用がききそうだが、さてどうだろう。

20.夏の庭その日その日の貌持てり(信之)
【小出哲央さん評】
日によって晴れやゲリラ豪雨など移ろいやすい天気の様を貌という漢字で
的確に表していると感じました。

24.薄命や喜雨のまほらに火のにほひ(ひろみ)
【阪野基道さん評】
「まほら」の古語で、思いは一気に古代へと誘われる。
そして古代から連綿と続いてきた人々の飢えが、雨と火のにおいの中に
受け継がれてきたと感じるとき、読む者は、個々の命の儚さを慈しむよりほかに、
なすすべはないのではないか、などと触発される句。

【森信之さん評】
これからも頑張って生きて行こうとする
希望があらわれている。

28.今昔の溶け込んでゐる遠郭公(ゆう)
【服部一彦さん評】
カッコウの鳴き声は遠近の距離感だけでなく時空の
隔たりも同時に伝えているのだという作者の
メッセージが心地よく響きました。

30.玄奘の旅の終りの夏銀河(星人)
【五島高資さん評】
求法の旅が終わっても経典の翻訳や弘法といった多くの使命が待っている。
帰還の安堵と共にそれからの大事が夏銀河と様々に共鳴する。

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7月句会「選句」

2017/07/03 12:00
  7月句会「選句」

6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
7月10日(月)午後5時締め切り

1 失せ物も星座巡るも天動説
2 遠き日の想ひ出掬ふ補虫網
3 ほととぎす宙の昏さに鳴きやまず
4 ヴィナスの腕の付根が腕を捜す
5 五月雨の止み間掠めしモーツァルト
6 日雷そらに考妣の奔るかな
7 空蝉のふつと声だすアイフォン
8 ひかり満つ荒野の果てやほととぎす
9 白鷺の影おいて去る水面かな
10 生きるとは青蔦さやにまとわせる
11 パラレル世界在り氷柱の向かう側
12 蜘蛛の囲に月閉ぢ込めて魔女の庭
13 病葉や神の嫉妬と思ふまで
14 配管の曲がりくねりや夏の星
15 昏れがての沈黙を呼ぶラベンダー
16 追悼の陶酔にゐてジギタリス
17 富士山の艫綱を解く夕焼かな
18 地下鉄に梅雨を持ち込む傘の先
19 麦秋や町に一つの映画館
20 夏の庭その日その日の貌持てり
21 あぢさゐの毬のへこみといふ余白
22 観音の石の眉吹く青嵐
23 蓋あけて完熟梅の気をもらふ
24 薄命や喜雨のまほらに火のにほひ
25 千畳の岩室を洩る夏の月
26 一夜ごと寝る子は育つ胡瓜かな
27 語り手は松重豊どぜう鍋
28 今昔の溶け込んでゐる遠郭公
29 大揚羽よぎり大樹のやや傾ぐ
30 玄奘の旅の終りの夏銀河


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6月句会「結果」

2017/06/09 14:33
  第57回 6月句会「結果」
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※次回7月句会は2句出しで
 6月30日(金)午後5時投句締め切り
 選句は7月7日までの一週間です

特選句 選評集

3.ゆきずりに五月の空の蒼すぎる(ひろみ)
【高橋雅城さんの】
評は16日以降になります

4.蛇の衣遺体置場に赤い靴(龍子)
【大津留直さん評】
おそらく、作者は東日本大震災の後に、遺体置場で見た小さな赤い靴を
忘れることが出来ないのだ。しかし、今、その赤い靴を履いていた少女の魂は、
あたかも、蛇が脱皮した衣を残してどこかで生きているように、その赤い靴を
この世に残して、天国で元気に跳ねまわっていると思うことにしたのだ。

【星人評】
俳句にはどれもドラマがある。どんな光景か定かでないが、
私は6年前を思い出した。遺体安置所の様子は暴力的だった。
あの光景の中に赤い靴があったら、きっと憶えていただろう。
鮮やかな赤色には思いを絶たれたむなしさが滲んでいる。
中七の場所を外して「蛇の衣と赤い靴」だけでも詩になりそうだ。
体が大きくなると靴は小さくなる。靴は蛇のもぬけと似ている。

5.白鷺の八方睨みの孤独かな(一彦)
【朝吹英和さん評】
周囲を睥睨しつつ微動だにしない白鷺の姿。
孤高の存在とも見えた白鷺には自己の孤独な魂が投影されているようであった。

【五島高資さん評】
鳥の視野は八方睨みと言って良いほど広いようだ。外敵を素早く察知して
避難するのに適しているのだろう。ただそれだけ臆病ということかもしれない。
見えないものを信じることが出来ない孤独もそこに感じられる。

7.夏魚焼いて太虚のはじめかな(基道)
【森信之さん評】
日常の生活と太虚という大いなるものとの取り合わせにより、
我々は大いなるものに生かされているのだなあと感じさせられる一句。

14.陽の方へ地軸傾げて田水張る(直克)
【加藤昌一郎さん評】
作業の効率を上げるため、太陽に向って地軸を傾けるという発想の大きさが、
見事な絶景を作りました。案山子も田圃の護り甲斐があるでしょう。

【真矢ひろみさん評】
アングルの転換が眼目。地軸を持ち出したところ
に好感。

20.目借時ローカル線の車中かな(信之)
【石田桃江さん評】
電車に乗っているとリズムのある揺れが心地よくうつらうつらと
眠くなってくることがあります。また、ローカル線によりゆっくりと
時間が流れてゆくようです。目借時の季題がよいと思います。

27.噴水の眠むそうに痒そうに斜め(昌一郎)
【鈴木浮葉さん評】
痒そうに、が秀逸。楽しいです。

31.蛸廻る洗濯槽の唸りかな(ゆう)
【加藤直克さん評】
取り付く島のない句、何を鑑賞したら良いのか分からない句である。
でもなぜかおかしく、悲しく、恐ろしい。解釈されることを拒否しているとも取れる。
しかしポエジーは感じられるから不思議だ。

32.水音を水が持ち去る薄暑かな(星人)
【服部一彦さん評】
中七のお陰で水の音だけでなく動きや匂いまで伝わってくる。
薄暑という季節の鋭敏さを共感することが出来た。

【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。水音を水が持ち去っている暑さを感じる気候であるという句意。
こう言われると、読者は流れる「水音」がすぐさま次の水に消されてゆく映像を思い
浮かべる。水の存在は「水音」として時空に浮かんでいる。その存在を「水が持ち
去る」とはなんと意表を突く発見だろう。俳句はこういう遊びもできるのだ。

【於保淳子さん評】
水の流れやその音に動きが感じられ、初夏の暑さに
涼やかな印象を与えていると思います。

【阪野基道さん評】
ゆく川の流れが音を運び去るとは、なんとも洒落ています。
水音は、常に新しい音。その水の淡さと薄暑の穏やかさが、
日本的な情緒を一段と高め合っています。
そして、水は、静止をすれば無音。

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2014/10/07 20:54
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2014/09/07 19:07
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※次回9月句会は2句出しで 8月31日(日)午後5時投句締め切りです 選句は9月7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 5.道をしへサーカス来ると伝へ聞く(雅城) ...続きを見る

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『新現代俳句最前線』(北溟社刊)
▼俳誌「歯車」358号 一書一句欄  利腕が不意に檸檬の香を放つ  石母田星人 ...続きを見る

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2014/07/10 18:34
7月句会「結果」
  ※次回8月句会は2句出しで 7月31日(木)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 6.クレソンの静けさを切るナイフかな(直克) ...続きを見る

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2014/07/07 19:28
高橋雅城さんの特選句選評集
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2014/06/16 18:54
今年1〜6月 月例句会結果まとめ
いつもの通り刹那に流れていかないよう、今年上半期を振り返ります。 4月分から横組みになって見にくいかも知れません。ご免ね。 ...続きを見る

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2014/06/10 19:13
6月句会「結果」
  ※次回7月句会は2句出しで 6月30日(土)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 12.寡黙さも美学のひとつ猫柳(穏子) ...続きを見る

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2014/06/07 19:30
5月句会「結果」
  ※次回6月句会は2句出しで 5月31日(土)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 4.献血を済まし新樹を仰ぐなり(雅城) 【石田桃江さん評】 無償の行為の献血。新樹を仰ぐことでいのちの つながりを感じました。 5.ひきがへる昭和の貌を留めをり(英和) 【松本龍子さん評】 一読、なんといっても季語のひきがえるが利いている。 昭和は戦争と高度成長の時代を象徴しているが 四肢が比較的短く、肥大した体をのそのそと運ぶ姿は ... ...続きを見る

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2014/05/08 14:28
4月句会「結果」
※次回5月句会は2句出しで 4月30日(水)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 2.電線の廻りて富士の暮れ泥む(高資) 【加藤昌一郎さん評】 世界の名物になって脚光を浴びた富士。 花電車のようにネオンの中に立っている。 3.父の骨流木めきて春の月(直) 【加藤直克さん評】 父親を看取ったとき、死にゆく身体が親から子への 一世一代のプレゼントであるような気がした。 命を終えて岸辺にたゆたう流木も、そうした プレゼントの一... ...続きを見る

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2014/04/07 19:06
3月句会「結果」
※次回4月句会は2句出しで 3月31日(月)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です   ◇特選句 選評集◇ ...続きを見る

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2014/03/08 17:44
2月句会「結果」
※次回3月句会は2句出しで 2月28日(金)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です   ◇特選句 選評集◇ ...続きを見る

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2014/02/07 18:30
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※次回2月句会は2句出しで 1月31日(金)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です   ◇特選句 選評集◇ ...続きを見る

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2014/01/13 20:15
句会この一年〜まとめ
この一年の句会を振り返りました。 皆さんありがとうございました。 ...続きを見る

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2013/12/24 20:35
浦川聡子さんの枯蓮
いつさいは天上にあり枯蓮   浦川聡子(『眠れる木』より)秋時雨のなか晩秋の池を見てきました。 すぐに聡子さんのこの句が浮かびました。 「天上」という言葉には、 「空の上、この上もない、天に昇る、死ぬ、天上にある世界」など 多くの意味があります。 この句の天上は、枯蓮の印象から、 単に空の上ではなく死とつながるイメージがあります。 荒涼とした湖沼の、しおれた枯蓮の前にいるのです。 枯れて折れ曲がった葉や茎が風で音を立てています。 その場所で天上にいるとても大切な人、 その... ...続きを見る

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2013/10/25 21:24
句集『いいげるせいた』
 福島県喜多方市の俳人五十嵐進氏の第3句集。霧工房・2000円。  帯に書かれた自選15句は〈冷蔵庫の母の夕焼けを解凍する〉〈田園に風の断崖(きりぎし)父という〉〈幽霊のうごくかたちに雪降れり〉〈冬月や金粉法で彫る故郷〉〈少年を脱皮の途中鳥帰る〉〈この道は私を通る泣きながら〉〈君もまた片道だけの天の川〉〈満月のうしろ姿や海の盆〉〈手花火や見知らぬ背中濡れている〉〈百万の蛙の声の浮力にて銀河〉〈野末には首だけの馬かげろひき〉〈わが身とは煙突(けむりだし)とよ春の暮〉〈遠山に人干されおり夕紅葉... ...続きを見る

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2013/07/01 11:31
大石雄鬼さんの『だぶだぶの服』
大石雄鬼さんから、句集『だぶだぶの服』(ふらんす堂)を頂戴した。 帯に書かれた自選句は〈舟虫の化石にならぬため走る〉〈螢狩してきし足を抱いて寝る〉〈象の頭に小石の詰まる天の川〉〈菜の花をシャドーボクサー横切れり〉〈木下闇からだを拭けば赤くなり〉〈胸に綿あつまつてゐる夏布団〉〈クーラーのしたで潜水艦つくる〉〈下半身省略されて案山子佇つ〉〈獅子舞の心臓ふたつもて怒る〉〈磯巾着小石あつめて眠りゐる〉〈やどかりの後ろに妻の巨大なり〉〈ハモニカに映りて滝のやうになる〉〈原子力発電所から春の鹿〉〈田螺... ...続きを見る

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2012/10/12 15:13
金子敦さんの『乗船券』
金子敦さんに第4句集『乗船券』をいただいた。金子さんは「出航」所属。 ...続きを見る

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2012/06/17 12:49
久保純夫さん久保るみ子さんの『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』
久保純夫さんから『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』を頂戴した。 帯文に「句集『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』は、もともと句日記として書いていたものから、俳句だけを独立させたものです。従って、すべて妻である流美子に向かって書かれた俳句になります。二〇一一年六月二五日、流美子がいなくなってからも、俳句は書き続けました。この三六五+αの句の後ろには毎日の想いが填っているのです。そして流美子が久保るみ子として書いた最後の作品になった四八句を収録しました」とある。 妻の入院、退院、ご自宅... ...続きを見る

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2012/06/11 15:16
岩淵喜代子さん『白雁』
岩淵喜代子さんに第5句集『白雁』(角川書店)を頂戴した。岩淵さんは「ににん」代表。 〈万の鳥帰り一羽の白雁も〉〈幻をかたちにすれば白魚に〉〈花ミモザ地上の船は錆こぼす〉〈十二使徒のあとに加はれ葱坊主〉〈今生の螢は声を持たざりし〉〈登山靴命二つのごと置かれ〉〈鳥は鳥同志で群るる白夜かな〉〈月光の届かぬ部屋に寝まるなり〉〈狼の闇の見えくる書庫の冷え〉など、凛とした景や大きな迫力のある構図が目立つ。そんな中、作品に原初の光が射し込み他の句とは違う次元で詠まれているような3句を曳く。〈尾があれば尾... ...続きを見る

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2012/05/20 16:57
山崎十生さんの『恋句』
山ア十生さんに第7句集『恋句』(喜怒哀楽書房)を贈っていただいた。山アさんは「紫」主宰。 〈殺意とは愛の結晶冴返る〉〈まぐはひの正装として遊糸あり〉〈匕首を帯に挟んで青き踏む〉〈手紙から鼓動伝はる青時雨〉〈聖五月耳のうしろに海がある〉〈告白はしないつもりだ額の花〉〈さくらんぼ二つに岐れたるその後〉〈その椅子が泉となってゐたる孤悲〉〈過客とは次の滴りまでの恋〉〈そのもののためにはあらず木下闇〉〈焙煎の汝が耳許にうっすら汗〉〈ことなしの宵闇爪が長すぎる〉〈芋の露おのれを縛り続けたり〉〈シャンプ... ...続きを見る

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2012/05/20 16:15

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