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みんなの「俳句」ブログ


2月句会「結果」

2018/02/10 16:55
  第65回 2月句会「結果」
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3月句会は2月28日(水)午後5時投句締め切りの2句出しです


特選句 選評集

3.金星の残るインフルエンザかな(高資)
【星人評】
40度の熱が出て、のどの痛みや筋肉痛に襲われる。
少し熱が下がったと思ったら強烈な倦怠感がやってくる。
まだかかっていない方、今年のはしんどいですよ。予防第一です。
「金星の残る」という感覚は、かかった者には分かる表現。
草城の〈高熱の鶴青空に漂へり〉の趣。

11.雪晴れやビルの裏手にけものみち(一彦)
【於保淳子さん評】
ビルの裏手の雪の上に、動物の足跡が続いて
いるのを見つけた。雪がなければ気が付かないが、
動物が人と同じ街の中で生きている実感があります。

20.転生の途中でよぎる枯山水(昌一郎)
【松本龍子さん評】
一読、不思議な詩情を感じる。言葉のとおり解釈すれば
生まれ変わる途中に枯山水がよぎったという句意だろうか。
掲句では「枯」が季語で山も川も枯れ一色の風景という意味
だろう。「枯山水」を媒介にして常世と現世との「時間と空間」
の乗換えが巧みに表現されている。

【森信之さん評】
人が生れ変るとすれば、生れ変る途中というのは、
高い空から地上へとゆっくりとあたりを見まわしながら
降りてくるのだろうか。想像するだに楽しくなる。

21.星生みの気配湯豆腐浮き沈む(ひろみ)
【加藤直克さん評】
星生みという極大のアクティブな動きと、湯豆腐の物憂げで
投げやりなたたずまいが見事な対象を描きつつ、即今の真実を
ずばり切ってみせる俳句の真実に触れた思いである。

【加藤昌一郎さん評】
誕生する宇宙。抽象と捨象。ミクロと
マクロの微妙な構図が最高です。

【鈴木浮葉さん評】
うーむ、煮崩れた豆腐や昆布のエキスが
宇宙の星の誕生の混沌とした星雲につながっていたのか。

22.人間は星かもしれぬ鶯笛(龍子)
【真矢ひろみさん評】
鶯笛は、やはり子供の頃の記憶とつながる。
確かに、そのころは人は死ねば星になると
教わったような・・・・。

23.舞う雪の闇に放たる刃かな(淳子)
【阪野基道さん評】
闇に吸い込まれてゆく雪を、
刃もしくは切っ先の奔る軌跡として
捉えた作者の美学に感嘆。

28.ためらはず月蝕を呑む寒の鯉(星人)
【朝吹英和さん評】
先日、東京では見事な皆既月蝕を観測する事が出来た。普段は
水底でじっと動かない寒鯉が月蝕を感知したのであろうか、水面
に浮かぶ月蝕を丸呑みにしてしまったという意外性がユニーク。

【服部一彦さん評】
あやかしの宇宙の営みと飄逸な鯉の口と
どちらもそりが合わないようでいてどこかで呼応している。
空のようでいて空を超えている実在。

【大津留直さん評】
一月三十一日に全国的に見られた皆既月食に関連させて、
それを寒の鯉に「ためらはず」呑ませているところに、
独特の俳味が感じられ、ためらわずいただくことにする。

【五島高資さん評】
月を呑む地球の影、それを呑む寒鯉という構図がまず面白い。
そして、ためらわない鯉の無邪気さが詩情を深くしている。

30 雪解けの弾んで昇る朝日かな(ゆう)
【石田桃江さん評】
雪国の人の長い冬が終わり待ちに待った
春が来た喜びが伝わってきます。
弾んで昇る朝日の躍動感をいただきました。


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2月句会「選句」

2018/02/03 13:09
6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
2月10日(土)午後5時締め切り

1 嵩上げや初日に長き石の影    
2 寒椿太極拳の右手左手      
3 金星の残るインフルエンザかな  
4 寒の入妻と二人の夕餉かな    
5 大寒の底打ち破る大太鼓     
6 フルートの煌めきやがて飛雪かな 
7 追ひ追ひに怖くなる歌詞手まり唄 
8 雪降れり海馬は夙になきごとく  
9 残雪や残り時間のざらついて   
10 成り成りて成り余るもの滝氷柱  
11 雪晴れやビルの裏手にけものみち 
12 結氷に真鯉のごとく凛と座す   
13 妖怪の耳に向かひて笹子鳴く  
14 冬枯にみどり輝く希望かな    
15 みちのくの空掘り起こす耕耘機  
16 残雪を銀に照らして柝の音    
17 おしゃべりは老いのパワーよ寒雀 
18 残雪のなお悠然と蹲踞せる    
19 三猿の手話死後のこと鬼火のこと 
20 転生の途中でよぎる枯山水    
21 星生みの気配湯豆腐浮き沈む   
22 人間は星かもしれぬ鶯笛     
23 舞う雪の闇に放たる刃かな
24 鬱にゐる付かず離れぬ風花と   
25 水の影くちびるゆらぐ猫の恋   
26 大枝の仏心や雪の積む      
27 青空の斜面をすべりくる春だ   
28 ためらはず月蝕を呑む寒の鯉   
29 がやがやと改札を来る雪解水   
30 雪解けの弾んで昇る朝日かな

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1月句会「結果」

2018/01/17 20:01
  第64回 1月句会「結果」
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2月句会は1月31日(水)午後5時投句締め切りの2句出しです


特選句 選評集

2.寒桜カンブリア紀の岩に咲く(直克)
【星人評】
すべての動物が揃った「カンブリア大爆発」を目撃した岩。
そこに根を張る寒桜。摩訶不思議な光景だが、
桜は現実の花をつけた。花の中には5億5千年前の記憶を持つ
ものもあるのかもしれない。

15.冬蝶の落ちて月食はじまりぬ(基道)
【朝吹英和さん】
越冬を果たせぬままに落ちた冬蝶と月食との響き合い
の中に密やかで神秘的な詩情が生まれている。

19.影法師だけ道連れに冬の旅(浮葉)
【森信之さん評】
気楽だけれどやはり寂しい一人旅。
自分の影法師、それとも他の人の影法師。
寂しさ、哀しさを紛らす旅であることには
間違いないでしょう。

21.屋根走る霰が置いてゆく海図(星人)
【大津留直さん評】
海を渡ってきた雲が降らせる霰が屋根を叩きながら
走り去ってゆくのを聴いていると、その霰が置いて行った
海図が不図思い浮かばれたのだ。その想像力の飛翔を讃えたい。

22.海鳴の羽化のはじまる初茜(ゆう)
【加藤直克さん評】
海鳴りに生まれるものが初茜であるという気宇壮大な句。
羽化とくれば登仙がイメージされるが、これも初茜にふさわしい。

23.己が影凍らせ水の眠りけり(ゆう)
【於保淳子さん評】
流れを止めて凍った水、時間が止まったかのような
辺りの静けさが伝わってきます。

24.日暮まで翼をさがす海鼠かな(星人)
【加藤昌一郎さん評】
同類の海鼠の一匹として理解できます。
肩から翼が生えてきた夢を見て、これぞ正夢と
喜んだのにどこかに置き忘れ、日暮れまで
探す己の不注意への口惜しさ。
御同輩として今年も頑張りましょう。

【松本龍子さん評】
一読、不思議な詩情を感じる。夕方まで翼を探している海辺の
海鼠がいるという句意。実景と解釈しても味わい深いが着想の
意外性には驚く。「一本の管」である海鼠は海辺で何億年も暮らし
たことにより、「宇宙のリズム」を体に刻み込んでいる。「からだに
刻み込まれた記憶」に「魚」や「鳥」を夢見た海鼠がいても不思議
ではないだろう。

【五島高資さん評】
あり得ないことではあるが、こう詠むことによって
海鼠は翼を得て夜空を廻るのである。

25.冬の朝復活の馬車通りけり(信之)
【阪野基道さん評】
ダイヤモンドダストがきらきらと舞うような冬の朝、
再生(復活)するための馬車が通る。
言葉が互いに反響し合うかのように、
美しいイメージをかき立てています。

27.人日のあまりに深きメトロかな(高資)
【鈴木浮葉さん評】
副都心線とか地下6階ですものね。地震の時はダメだろうな。
でもミサイルの時は助かるか、などと考えつつ降りて行く心もとなさ。
正月休みが開けて日常が戻る時のひんやり感が出ています。



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1月句会「選句」

2018/01/08 21:40
6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
1月15日(月)午後5時締め切り

1 雪女指差しすれば指を出し     
2 寒桜カンブリア紀の岩に咲く    
3 皹の顔で砕く手の平寒の水     
4 交差点から歩き出す春隣      
5 一望の盆地初日を招き入れ     
6 ビオロン哀し何時も空腹冬も裸   
7 水音の言葉となりぬ初寝覚     
8 華やかにイルミネーション月冴ゆる 
9 逆光にマレビト来たる恵方かな   
10 初日出雲なき空の極みかな     
11 犬が来て匂ひ嗅ぎたる初日影    
12 初夢に人魚の呉るる玉手箱     
13 タッチアンドゴー白鳥黄泉を往復す 
14 大阿蘇の碧き奇岩に初茜      
15 冬蝶の落ちて月食はじまりぬ    
16 年輪の声聴く霜の夜更けかな    
17 冬の空群鴉ひしめくことは稀    
18 小走りの外湯巡りや風花す     
19 影法師だけ道連れに冬の旅     
20 逆しまに流れぬ時や古暦      
21 屋根走る霰が置いてゆく海図    
22 海鳴の羽化のはじまる初茜     
23 己が影凍らせ水の眠りけり     
24 日暮まで翼をさがす海鼠かな
25 冬の朝復活の馬車通りけり     
26 冬枯の山暮れゆくや一つ星     
27 人日のあまりに深きメトロかな   
28 読まぬまま手紙をくべる焚火かな

  
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12月句会「結果」

2017/12/13 19:07
  第63回 12月句会「結果」ふたご座流星群凄いすごい
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皆さま、今年一年ありがとうございました。来年もご指導よろしくお願いします
1月句会は1月8日(月)午後5時投句締め切りの2句出しです


特選句 選評集

1.七五三の宮にて痛いほどひとり(浮葉)
【森信之さん評】
自分の気持ちをそのまま表現していて
“痛いほどひとり”にその全てが凝縮されている。

3.知に色気あり文殊仏冬の寺(浮葉)
【加藤昌一郎さん評】
「知に色気あり」といふフレーズに魅せられた。醍醐寺の獅子に乗った文殊の
お顔は、智恵そのものの清潔な一種の少年の色気があるようだった。

8.冬ざれや筑波の残光尖りゆく(直克)
【阪野基道さん評】
季語「冬ざれ」に「筑波の残光」を取り合わせると、太古からの神々しさを
生み出すように感じられます。しかも、その残光が、残光であるが故に
鋭く尖り始めると、大きな時間が息づいているようで、美しい。

9.星空より駆けて来たりし大白鳥(龍子)
【於保淳子さん評】
夏空の白鳥は冬には舞い降りてくるのでしょうか。
羽を広げた白鳥の姿が目に浮かびます。

16.どこまでも螺旋階段冬の虹(基道)
【大津留直さん評】
冬という季節の厳しさがそうさせるのか、それとも、冬の虹自体の
かそけさがそうさせるのか、冬の虹には到達不可能というイメージが付き纏う。

20.水底の旅の終りの白落葉(一彦)
【加藤直克さん評】
白落葉という言葉をはじめて目にしたが、水底にあればこそそのように
見えたのであろう。それを「旅の終わりの」と言い得たところに感銘を覚えた。
落葉は褐色で、それが葉の命の終わりを意味するわけだが、水に流れて白くなるとき、
それは生死を透脱した姿とみることもできる。生死を透脱したものこそ、みずから
願って再び生死の中に身を躍らせるとすれば、それが命のまことなのであろう。

22.冬ざるる老舗旅館の燐寸かな(英和)
【鈴木浮葉さん評】
今時、マッチ!だからこそ老舗旅館の冬。
時代に乗り遅れた淋しさ、毅然とした誇りが見えてくる。

24.初時雨九曜の紋のなびきけり(信之)
【星人評】
九曜の紋は、仙台の伊達氏の家紋。
仙台は今年、政宗公生誕450年でにぎわいをみせました。
これは街路灯のタペストリーの靡き。初時雨と旗の靡きが
詩的に呼応して美しい俳句空間ができています。

27.大鍋にびつくり水をさせば雪(星人)
【服部一彦さん評】
取り合わせが魅力的だがそれは二の次。この書き込み方によって人間がいかに
季節の中で生活しているかがさりげなくまた如実に判るのがいいと思いました。

【石田桃江さん評】
煮えたぎった湯にびっくり水をさすと、
大鍋のなかに一瞬きらきら輝く銀世界を見た。
斬新な発想をいただきました。

28.鶴唳のちらばつてゐる虚空かな(星人)
【朝吹英和さん評】
冬空を渡る鶴の声が聞えたのか、或いは北風に抗う鶴の声の
幻聴なのかも知れない。中七の措辞がユニークで効果的である。

【松本龍子さん評】
一読、直感的な詩情を感じる。鶴の鳴き声を聞いた敗残兵が敵兵かと思い
驚き恐れたという故事から、 おじけづいた人がわずかのことにも恐れおのの
いている声がちらばっている大空であるという句意。現状の日本人の米国への
従属と北朝鮮問題への不安と恐怖がオーバーラップして透けて見えてくるが、
作者の潜在意識、「心の動き」と考えると生への「漠然とした不安」なのかもしれない。

【五島高資さん評】
冬の大地と冴え渡る空が目の前に広がる。鶴唳を散らばると見て絶妙。
いっそう虚空が極まる。

30.一本の杭にためらふ冬銀河(ゆう)
【真矢ひろみさん評】
大いなる個性、不遇など社会性と
蕭条たる自然という古典的?な
取り合わせですが、ひかれました。


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12月句会「選句」

2017/12/03 11:52
6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
12月10日(日)午後5時締め切り

1 七五三の宮にて痛いほどひとり 
2 さざんかやにぎわす演歌文化祭 
3 知に色気あり文殊仏冬の寺   
4 もちまきの秋天よりの恵みかな 
5 ホチキスに玉を込めたり星月夜 
6 おのが色空にはふりて散る紅葉 
7 天狼やムー大陸の浮くあたり  
8 冬ざれや筑波の残光尖りゆく  
9 星空より駆けて来たりし大白鳥
10 龍淵に潜み地酒の辛さかな
11 襟巻のおこじょや歩々を弾ませて 
12 狐火を咥えてひかる髑髏の眼 
13 生まれくる顔は寂色冬ともし   
14 一条の陽の光芒や冬の塔    
15 風鈴を闇夜にしまい雪蛍     
16 どこまでも螺旋階段冬の虹    
17 鳩くぐる高圧線の冬の音     
18 嬉しくも悲しくも糸瓜ぶら下がれ
19 青氷柱夢の香気に目覚めけり  
20 水底の旅の終りの白落葉     
21 茄子の馬ではるばると来た冥王星
22 冬ざるる老舗旅館の燐寸かな   
23 秋惜しむやうに山寺影のばす   
24 初時雨九曜の紋のなびきけり   
25 柚子の実を空に散りばめ道ひとつ
26 ランナーの過ぎし湖岸や冬に入る
27 大鍋にびつくり水をさせば雪
28 鶴唳のちらばつてゐる虚空かな
29 大空の一片として白鳥来
30 一本の杭にためらふ冬銀河

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11月句会結果

2017/11/10 18:49
  第62回 11月句会「結果」
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※次回12月句会は2句出しで
 11月30日(木)午後5時投句締め切り
 選句は12月7日までの一週間です

特選句 選評集

1.芒原モーセの海の現るる(ゆう)
【阪野基道さん評】
言葉の美しさに惹かれました。芒の波立つ広大な原野と、モーセの海との
取り合わせがダブルイメージとなって、句に重層感を与えています。
この句の彼方にあるのは「モーセの十戒」ではなく、
「朧な不確定な世界」のような気がします。

2.大仏のてのひらにゐる穴惑(星人)
【松本龍子さん評】
一読、不思議な詩情を感じる。言葉のままに解釈すれば、大仏の掌に
彼岸が過ぎても穴に入らない蛇がいるという句意。おそらく掲句は想像の
句だろう。だとすればこの蛇は作者の分身なのかもしれない。俳句だから
こそ、巨大な大仏の掌に蛇に変身して眠ることもできる。下五には別の季語
が入ってもよさそうだが、分身としては「穴惑」がふさわしいのだろう。

【森信之さん評】
もうそろそろ穴に入ってもいい頃なのに未練がましく
あきらめきれずさまよっている蛇と私自身が
どうしてもかぶってしまう。

3.たたら場の水に生まるる白鳥座(星人)
【真矢ひろみさん評】
夜空と金属的な物との取り合わせは
これまでにも事例は多々あるが、
たたらと白鳥座というところに
魅かれた。

【五島高資さん評】
古代製鉄には火はもちろん水も必要。また、焼き入れの際、
水から出る鋼と白鳥座とが詩的に共鳴する。

20.あきらめてのちの光を秋簾(直克)
【大津留直さん評】
本当に自分を救う光は、自分には救いなどないとあきらめたとき、
初めて、実は、自分の心のうちにすでに灯っていたことに
気付かされるものなのかもしれない。用済みとなって、
ほって置かれている簾を通して差してくる光のように。
秋簾に成りきることによって見えて来る光を詠って見事である。

23.人間や地より立ちたる秋の虹(高資)
【加藤昌一郎さん評】
大古より人間と虹だけが地上に立っていた。
現在も虹は人間のために立ち、それを
人間だけが賛美している。

24.いまは無き星の光や蚯蚓鳴く(ひろみ)
【朝吹英和さん評】
宇宙空間にも輪廻転生がある事を教えられるロマン溢れる一句。
「蚯蚓鳴く」が効果的である。

【於保淳子さん評】
見えている光を放った星は、実は今存在していないのかもしれない。
季節感とともに、その透明なはかなさが感じられます。

26.昼過ぎの海の暗さや月の舟(高資)
【服部一彦さん評】
この句が描く光景から私は何を受け取るべきだろうか。
絶望的とも見える現世か、これを救わんとする慈母観音の来臨か。
迷いと妄執の渦が湧くばかり。

27.晩秋の山写し取る湖水かな(信之)
【鈴木浮葉さん評】
風も無く、湖水がくっきりと鏡のように写し取っている風景が
目に見えるよう、東山魁夷の絵を彷彿。
今回は静かなこの句がいいかなあという気分です。

【石田桃江さん評】
晩秋の山の佇まいと澄みきった湖水の水。
写し取るでますますの静寂と神秘を感じます。

【星人評】
「映す」でなく「写し取る」。ゆえに主格は湖。
紅葉に染まる山の姿を湖が「模写」している光景だ。
写さなければ我慢できないほどの鮮やかな色彩だったのだろう。
ひとつの現象が詩として表現されている。

28.涙腺の涸れし駱駝や初時雨(英和)
【加藤直克さん評】
水分をため込んでめったに体外に出さないであろう駱駝が、
涙腺が枯れるほど泣くというアイロニーに心打たれた。
そしてその背を慰めるごとく濡らす初時雨。もちろん駱駝は
重き荷物を担う人生の象徴なのだろうが、短い言葉の中に
ユーモアさえも感じさせるところに俳句の妙が感じられる。

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11月句会「選句」

2017/11/03 10:57
6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
11月10日(金)午後5時締め切り

1 芒原モーセの海の現るる
2 大仏のてのひらにゐる穴惑
3 たたら場の水に生まるる白鳥座
4 能管の高き一音銀河濃し
5 生け垣を刈り自画自賛秋うらら
6 惣領を蹴とばして行く野分あり
7 波止釣りの人に紛れる秋日和
8 腕組みの木は黄落をためらうか
9 藁塚や若き二人はうまいする
10 拾ひ来し林檎を焼きて日曜日
11 豆腐屋のかひな赤剥け龍淵に
12 コスモスの揺れて絵画に風の声
13 晩秋を送り急ぐか陸傾れ
14 秋風に波より零る光かな
15 瞑想に秋風巻いて片目落ち
16 揺れ止まぬコスモス吾もゆれやまず
17 綿虫の背なのやわらか非戦なる
18 いつぽんのまつすぐな道一葉忌
19 ひよひよと奏づちちろの薄き羽
20 あきらめてのちの光を秋簾
21 枯野とは白線越ゆる先のこと
22 夕落葉いづれは戻るビッグバン
23 人間や地より立ちたる秋の虹
24 いまは無き星の光や蚯蚓鳴く
25 落葉降る老人と核廃棄物
26 昼過ぎの海の暗さや月の舟
27 晩秋の山写し取る湖水かな   
28 涙腺の涸れし駱駝や初時雨
29 どんぐりの屋根打つ響き露天かな
30 赤い羽根路面電車の響きかな


  
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10月句会「結果」

2017/10/11 01:21
  第61回 10月句会「結果」
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※次回11月句会は2句出しで
 10月31日(火)午後5時投句締め切り
 選句は11月7日までの一週間です

特選句 選評集

4.伏せたまま枯野になった一連隊(昌一郎)
【加藤直克さん評】
台風でなぎ倒された草原が立ち上がることなく枯れ野になった光景が
目に浮かんだ。それが突撃して死屍累々となった一連隊のイメージを
喚起したのだろうか。哀惜と鎮魂の想いに圧倒された。


16.月光のところどころに死のリズム(基道)
【朝吹英和さん評】
月光を浴びて変身する伝説は狼男や吸血鬼などにも見られ
る通り、月は生命感溢れる太陽とは反対に「死」の象徴である。
中七の「ところどころ」が不気味で効果的。


18.鬼やんまの頸にまたがり大井川(一彦)
【鈴木浮葉さん評】
フイリップ・プルマンの「ライラと黄金の羅針盤」シリーズに
鬼やんまの頸にのる妖精?の女王だか魔女がいた様な気がします。
それを彷彿させてなんだか好きな句。大井川にもいたら楽しいし、
自分もその視点から自然を見たらどうだろう、とわくわくしました。

【真矢ひろみさん評】
一読、爆笑。この程度の嘘は、文芸の歴史、短詩型の大いなる
伝統から見れば、ごくごく一般的なことに相違ない。

【森信之さん評】
大きな鬼やんまを見るとそんな気分になります。
ファンタジーあふれ、発想がとても新鮮で、
そうして大井川を渡ってみたいと思います。


19.雨上り虫の音を聞く石仏(信之)
【星人評】
もう表情も見えない風化仏だろう。
もし表情が分かれば、
雨上がりの虫時雨に相好を崩しているのかも知れない。


22.黄葉して貌消えてゆく貉かな(龍子)
【大津留直さん評】
ムジナは、民話などで山道などで人を化かすと言われている。
特に、木々が黄葉する頃には、ムジナの貌が黄葉に紛れて、
人を化かし易くなるという想像力がこの句には働いている。
貌と貉の漢字の類似性も楽しい句である。


23.小鳥来るパンとサーカスを見尽くして(龍子)
【石田桃江さん評】
小鳥来るに人生を重ねて長い長い歳月にパン(日常)と
サーカス(非日常)を十分に見ることが出来た。
見尽くしてに力強さを感じました。


24.刈り終えし稲の根っこが仰ぐ星(哲央)
【五島高資さん評】
稲刈りの済んだ田圃はもの悲しいものがある。
しかし、よく見ると稲の根元がずらりと並んでいる。
根はやがてまた土となり生命の循環に組み込まれる。
星々もそのことをよく知っている。
元をただせば稲も星々の欠片なのだから。


25.帚木に通ふ血汐や朝の星(高資)
【加藤昌一郎さん評】
空蝉も源氏も禿でもパイパンでもなかった。
二人は血汐通わす一線を越えた。
夜通し見ていた星は寝不足の朝を迎えて迷惑だった。


27.泰然と「菩提薩婆訶」を紙魚泳ぐ(ひろみ)
【阪野基道さん評】
泰然自若と般若心経を唱え、その余韻の中を泰然自若と紙魚が
行き来する。経文の中へ紙魚が悟りを求めて「走る」のではなく、
悟った紙魚が「泳ぐ」に、なるほど、と感心。


30.川風に乗りかへてゆく秋の蝶(星人)
【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。「秋の蝶」は力なく弱弱しい秋に見かける蝶。
言葉のままに解釈すれば、秋の蝶が自力で飛ぶのを諦めて川風
に身を任せて飛んでいるという句意だろうか。写生句とみれば
「乗りかへてゆく」という風に作者には蝶の動きが見えたということ
である。地上に現れた蝶も川風に乗りながら川に落ち、海に還る。
「秋の蝶」は作者の分身なのかもしれぬ。


31.写楽の手ぱつと開かれ花野かな(星人)
【服部一彦さん評】
花野に対面した時の新鮮な驚きが如実

【於保淳子さん評】
力強く開いた手とそこに現れる花野の景色が鮮明に見えるような気がします。
この取り合わせが面白いと思いました。




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10月句会「選句」

2017/10/03 10:55
6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
10月10日(火)午後5時締め切り

1 てっぺんに鵙の高鳴く空気かな
2 掌に五悪の座す月明り 
3 頬撫でていく潮風の匂いは秋    
4 伏せたまま枯野になった一連隊   
5 金風のゆれる洗濯物の影      
6 葡萄剥くぽたんと光る雫かな    
7 かりがねの棹うちしなり天を撃つ  
8 唇に南無燃えさかり彼岸花     
9 得たものと失ったもの秋の声    
10 枯野めく卓やアボガドなる爆弾   
11 地芝居の受難劇かな訥々と      
12 秋耕や星の祈りの届くまで      
13 端渓に下ろす穂先や今朝の秋     
14 十月のメトロの風は頬を切る    
15 次の間を抜けし松籟秋高し     
16 月光のところどころに死のリズム  
17 反戦の歌をつぶやく鰯雲   
18 鬼やんまの頸にまたがり大井川   
19 雨上り虫の音を聞く石仏      
20 桜黄葉散り染む下を鯔上る     
21 秋風や駐屯兵の急ぐ先   
22 黄葉して貌消えてゆく貉かな
23 小鳥来るパンとサーカスを見尽くして 
24 刈り終えし稲の根っこが仰ぐ星   
25 帚木に通ふ血汐や朝の星
26 己がじし響動んで空し竹の春    
27 泰然と「菩提薩婆訶」を紙魚泳ぐ
28 悪人も笑顔ありけり御講凪     
29 いつぱいに伸ばすアンテナ星月夜
30 川風に乗りかへてゆく秋の蝶
31 写楽の手ぱつと開かれ花野かな
32 連山の赤を集むる秋の川





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9月句会「結果」
※次回10月句会は2句出しで 9月30日(火)午後5時投句締め切りです 選句は10月7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 1.鬼怒川の悠久ありて鮎三尾(直克) ...続きを見る

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2014/09/07 19:07
8月句会「結果」
※次回9月句会は2句出しで 8月31日(日)午後5時投句締め切りです 選句は9月7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 5.道をしへサーカス来ると伝へ聞く(雅城) ...続きを見る

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2014/08/07 15:41
『新現代俳句最前線』(北溟社刊)
▼俳誌「歯車」358号 一書一句欄  利腕が不意に檸檬の香を放つ  石母田星人 ...続きを見る

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2014/07/10 18:34
7月句会「結果」
  ※次回8月句会は2句出しで 7月31日(木)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 6.クレソンの静けさを切るナイフかな(直克) ...続きを見る

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2014/07/07 19:28
高橋雅城さんの特選句選評集
 ◇高橋雅城さんの特選句 選評集◇ ...続きを見る

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2014/06/16 18:54
今年1〜6月 月例句会結果まとめ
いつもの通り刹那に流れていかないよう、今年上半期を振り返ります。 4月分から横組みになって見にくいかも知れません。ご免ね。 ...続きを見る

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2014/06/10 19:13
6月句会「結果」
  ※次回7月句会は2句出しで 6月30日(土)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 12.寡黙さも美学のひとつ猫柳(穏子) ...続きを見る

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2014/06/07 19:30
5月句会「結果」
  ※次回6月句会は2句出しで 5月31日(土)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 4.献血を済まし新樹を仰ぐなり(雅城) 【石田桃江さん評】 無償の行為の献血。新樹を仰ぐことでいのちの つながりを感じました。 5.ひきがへる昭和の貌を留めをり(英和) 【松本龍子さん評】 一読、なんといっても季語のひきがえるが利いている。 昭和は戦争と高度成長の時代を象徴しているが 四肢が比較的短く、肥大した体をのそのそと運ぶ姿は ... ...続きを見る

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2014/05/08 14:28
4月句会「結果」
※次回5月句会は2句出しで 4月30日(水)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 2.電線の廻りて富士の暮れ泥む(高資) 【加藤昌一郎さん評】 世界の名物になって脚光を浴びた富士。 花電車のようにネオンの中に立っている。 3.父の骨流木めきて春の月(直) 【加藤直克さん評】 父親を看取ったとき、死にゆく身体が親から子への 一世一代のプレゼントであるような気がした。 命を終えて岸辺にたゆたう流木も、そうした プレゼントの一... ...続きを見る

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2014/04/07 19:06
3月句会「結果」
※次回4月句会は2句出しで 3月31日(月)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です   ◇特選句 選評集◇ ...続きを見る

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2014/03/08 17:44
2月句会「結果」
※次回3月句会は2句出しで 2月28日(金)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です   ◇特選句 選評集◇ ...続きを見る

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2014/02/07 18:30
1月句会「結果」
※次回2月句会は2句出しで 1月31日(金)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です   ◇特選句 選評集◇ ...続きを見る

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2014/01/13 20:15
句会この一年〜まとめ
この一年の句会を振り返りました。 皆さんありがとうございました。 ...続きを見る

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2013/12/24 20:35
浦川聡子さんの枯蓮
いつさいは天上にあり枯蓮   浦川聡子(『眠れる木』より)秋時雨のなか晩秋の池を見てきました。 すぐに聡子さんのこの句が浮かびました。 「天上」という言葉には、 「空の上、この上もない、天に昇る、死ぬ、天上にある世界」など 多くの意味があります。 この句の天上は、枯蓮の印象から、 単に空の上ではなく死とつながるイメージがあります。 荒涼とした湖沼の、しおれた枯蓮の前にいるのです。 枯れて折れ曲がった葉や茎が風で音を立てています。 その場所で天上にいるとても大切な人、 その... ...続きを見る

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2013/10/25 21:24
句集『いいげるせいた』
 福島県喜多方市の俳人五十嵐進氏の第3句集。霧工房・2000円。  帯に書かれた自選15句は〈冷蔵庫の母の夕焼けを解凍する〉〈田園に風の断崖(きりぎし)父という〉〈幽霊のうごくかたちに雪降れり〉〈冬月や金粉法で彫る故郷〉〈少年を脱皮の途中鳥帰る〉〈この道は私を通る泣きながら〉〈君もまた片道だけの天の川〉〈満月のうしろ姿や海の盆〉〈手花火や見知らぬ背中濡れている〉〈百万の蛙の声の浮力にて銀河〉〈野末には首だけの馬かげろひき〉〈わが身とは煙突(けむりだし)とよ春の暮〉〈遠山に人干されおり夕紅葉... ...続きを見る

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2013/07/01 11:31
大石雄鬼さんの『だぶだぶの服』
大石雄鬼さんから、句集『だぶだぶの服』(ふらんす堂)を頂戴した。 帯に書かれた自選句は〈舟虫の化石にならぬため走る〉〈螢狩してきし足を抱いて寝る〉〈象の頭に小石の詰まる天の川〉〈菜の花をシャドーボクサー横切れり〉〈木下闇からだを拭けば赤くなり〉〈胸に綿あつまつてゐる夏布団〉〈クーラーのしたで潜水艦つくる〉〈下半身省略されて案山子佇つ〉〈獅子舞の心臓ふたつもて怒る〉〈磯巾着小石あつめて眠りゐる〉〈やどかりの後ろに妻の巨大なり〉〈ハモニカに映りて滝のやうになる〉〈原子力発電所から春の鹿〉〈田螺... ...続きを見る

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2012/10/12 15:13
金子敦さんの『乗船券』
金子敦さんに第4句集『乗船券』をいただいた。金子さんは「出航」所属。 ...続きを見る

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2012/06/17 12:49
久保純夫さん久保るみ子さんの『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』
久保純夫さんから『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』を頂戴した。 帯文に「句集『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』は、もともと句日記として書いていたものから、俳句だけを独立させたものです。従って、すべて妻である流美子に向かって書かれた俳句になります。二〇一一年六月二五日、流美子がいなくなってからも、俳句は書き続けました。この三六五+αの句の後ろには毎日の想いが填っているのです。そして流美子が久保るみ子として書いた最後の作品になった四八句を収録しました」とある。 妻の入院、退院、ご自宅... ...続きを見る

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2012/06/11 15:16
岩淵喜代子さん『白雁』
岩淵喜代子さんに第5句集『白雁』(角川書店)を頂戴した。岩淵さんは「ににん」代表。 〈万の鳥帰り一羽の白雁も〉〈幻をかたちにすれば白魚に〉〈花ミモザ地上の船は錆こぼす〉〈十二使徒のあとに加はれ葱坊主〉〈今生の螢は声を持たざりし〉〈登山靴命二つのごと置かれ〉〈鳥は鳥同志で群るる白夜かな〉〈月光の届かぬ部屋に寝まるなり〉〈狼の闇の見えくる書庫の冷え〉など、凛とした景や大きな迫力のある構図が目立つ。そんな中、作品に原初の光が射し込み他の句とは違う次元で詠まれているような3句を曳く。〈尾があれば尾... ...続きを見る

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2012/05/20 16:57
山崎十生さんの『恋句』
山ア十生さんに第7句集『恋句』(喜怒哀楽書房)を贈っていただいた。山アさんは「紫」主宰。 〈殺意とは愛の結晶冴返る〉〈まぐはひの正装として遊糸あり〉〈匕首を帯に挟んで青き踏む〉〈手紙から鼓動伝はる青時雨〉〈聖五月耳のうしろに海がある〉〈告白はしないつもりだ額の花〉〈さくらんぼ二つに岐れたるその後〉〈その椅子が泉となってゐたる孤悲〉〈過客とは次の滴りまでの恋〉〈そのもののためにはあらず木下闇〉〈焙煎の汝が耳許にうっすら汗〉〈ことなしの宵闇爪が長すぎる〉〈芋の露おのれを縛り続けたり〉〈シャンプ... ...続きを見る

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2012/05/20 16:15

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