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みんなの「俳句」ブログ


6月句会「結果」

2017/06/09 14:33
  第57回 6月句会「結果」
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※次回7月句会は2句出しで
 6月30日(金)午後5時投句締め切り
 選句は7月7日までの一週間です

特選句 選評集

3.ゆきずりに五月の空の蒼すぎる(ひろみ)
【高橋雅城さんの】
評は16日以降になります

4.蛇の衣遺体置場に赤い靴(龍子)
【大津留直さん評】
おそらく、作者は東日本大震災の後に、遺体置場で見た小さな赤い靴を
忘れることが出来ないのだ。しかし、今、その赤い靴を履いていた少女の魂は、
あたかも、蛇が脱皮した衣を残してどこかで生きているように、その赤い靴を
この世に残して、天国で元気に跳ねまわっていると思うことにしたのだ。

【星人評】
俳句にはどれもドラマがある。どんな光景か定かでないが、
私は6年前を思い出した。遺体安置所の様子は暴力的だった。
あの光景の中に赤い靴があったら、きっと憶えていただろう。
鮮やかな赤色には思いを絶たれたむなしさが滲んでいる。
中七の場所を外して「蛇の衣と赤い靴」だけでも詩になりそうだ。
体が大きくなると靴は小さくなる。靴は蛇のもぬけと似ている。

5.白鷺の八方睨みの孤独かな(一彦)
【朝吹英和さん評】
周囲を睥睨しつつ微動だにしない白鷺の姿。
孤高の存在とも見えた白鷺には自己の孤独な魂が投影されているようであった。

【五島高資さん評】
鳥の視野は八方睨みと言って良いほど広いようだ。外敵を素早く察知して
避難するのに適しているのだろう。ただそれだけ臆病ということかもしれない。
見えないものを信じることが出来ない孤独もそこに感じられる。

7.夏魚焼いて太虚のはじめかな(基道)
【森信之さん評】
日常の生活と太虚という大いなるものとの取り合わせにより、
我々は大いなるものに生かされているのだなあと感じさせられる一句。

14.陽の方へ地軸傾げて田水張る(直克)
【加藤昌一郎さん評】
作業の効率を上げるため、太陽に向って地軸を傾けるという発想の大きさが、
見事な絶景を作りました。案山子も田圃の護り甲斐があるでしょう。

【真矢ひろみさん評】
アングルの転換が眼目。地軸を持ち出したところ
に好感。

20.目借時ローカル線の車中かな(信之)
【石田桃江さん評】
電車に乗っているとリズムのある揺れが心地よくうつらうつらと
眠くなってくることがあります。また、ローカル線によりゆっくりと
時間が流れてゆくようです。目借時の季題がよいと思います。

27.噴水の眠むそうに痒そうに斜め(昌一郎)
【鈴木浮葉さん評】
痒そうに、が秀逸。楽しいです。

31.蛸廻る洗濯槽の唸りかな(ゆう)
【加藤直克さん評】
取り付く島のない句、何を鑑賞したら良いのか分からない句である。
でもなぜかおかしく、悲しく、恐ろしい。解釈されることを拒否しているとも取れる。
しかしポエジーは感じられるから不思議だ。

32.水音を水が持ち去る薄暑かな(星人)
【服部一彦さん評】
中七のお陰で水の音だけでなく動きや匂いまで伝わってくる。
薄暑という季節の鋭敏さを共感することが出来た。

【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。水音を水が持ち去っている暑さを感じる気候であるという句意。
こう言われると、読者は流れる「水音」がすぐさま次の水に消されてゆく映像を思い
浮かべる。水の存在は「水音」として時空に浮かんでいる。その存在を「水が持ち
去る」とはなんと意表を突く発見だろう。俳句はこういう遊びもできるのだ。

【於保淳子さん評】
水の流れやその音に動きが感じられ、初夏の暑さに
涼やかな印象を与えていると思います。

【阪野基道さん評】
ゆく川の流れが音を運び去るとは、なんとも洒落ています。
水音は、常に新しい音。その水の淡さと薄暑の穏やかさが、
日本的な情緒を一段と高め合っています。
そして、水は、静止をすれば無音。

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6月句会「選句」

2017/06/02 12:24
  6月句会「選句」

6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
6月9日(金)午後5時締め切り

1 空蝉に点りつづける白夜光
2 ゆらゆらと憂き世に浮くか苦蓬
3 ゆきずりに五月の空の蒼すぎる
4 蛇の衣遺体置場に赤い靴 
5 白鷺の八方睨みの孤独かな
6 片陰を選りて保険屋死を売りに
7 夏魚焼いて太虚のはじめかな
8 草千里をまだらに降るか五月雨
9 応、応とこたえし父の背に銀蝿
10 海青し梔子きりりと目の前に
11 変身のポーズで覚める昼寝かな
12 紫陽花の蕾隠れし緑かな
13 分かれゆく鉄路の光る青田波
14 陽の方へ地軸傾げて田水張る
15 海霧霽れてさよならを言う目と目かな
16 麦嵐やまず荒める別れかな
17 曇天にのぞく青空初夏の旅
18 緋牡丹の散りゆく今をパルティータ
19 踏み入れて青葉若葉の厳島
20 目借時ローカル線の車中かな
21 麦秋やあなたの家は遠すぎる
22 黒髪の長き乙女や夏来る
23 それぞれの家に不幸や遠郭公
24 短夜やグランドピアノ狂ひ初む
25 蝶結びほどいて蛇穴を出る用意
26 どないやねんぼちぼちでんなところてん
27 噴水の眠むそうに痒そうに斜め
28 うすばかげろふ暗き過去捨ていま空へ
29 捲る剥ぐ払ふ蹴飛ばす夏布団
30 あをあをと昏れゆく空や山法師
31 蛸廻る洗濯槽の唸りかな
32 水音を水が持ち去る薄暑かな

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6月句会告知

2017/05/31 11:06
投句少なく、6月句会の選句公開は2日正午とします
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5月句会「結果」

2017/05/13 10:36
  第56回 5月句会「結果」
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※次回6月句会は2句出しで
 5月31日(水)午後5時投句締め切り
 選句は6月7日までの一週間です

特選句 選評集

5.ダリア植うかつて人妻たりし土(ひろみ)
【大津留直さん評】
一読、「人妻たりし土」という措辞が意表を突く。
それが読者の想像力を喚起し、短編小説のような数場面が浮かんでくる。
作者は、なぜあの人妻に自分はこんなに惹かれるのかと思いながら、
ダリアを植えている。すると、その人妻が実はかつてこの土だったからなのだ
という想いが不図過って、なにか心が解れて来るように思えたのだ。

7.ぶっきらぼうに父の霊佇つ春の夢(ひろみ)
【森信之さん評】
ぶっきらぼうだった亡くなったお父さんが夢の中でも
やはりぶっきらぼう。

10.そよかぜに波と散りゆく桜かな(直克)
【石田桃江さん評】
散る桜の儚さと優美な情景をいただきました。
そよかぜと波によりリズムを感じます。

16.すみれ摘む空の芯まで眩むとき(一彦)
【加藤直克さん評】
すみれと空の芯との取り合わせ、とくに「さ」行音の連なりとイメージの交錯が
素晴らしいです。そしてそれが「摘む」「眩む」という「む」音で連結されていて、
句の姿が決まっています。意味的にもすみれの青さと空の蒼さが一つになり、
この世に住む=澄むことの驚きと祈りが一つになるのでしょう。

20.鳴り止まぬ隣家の目覚まし昭和の日(浮葉)
【加藤昌一郎さん評】
昭和の目覚ましは金属のカップを金属の棒で叩く原始的なドラのようなもので、
鳴り方も今のように時に遠慮っぽい断絶などなく、鳴り出したら睡眠者が止める
まで鳴り通す、軍国日本的なものでした。「昭和の日」が入ってゐるだけで、
古い昭和が生きた光景になった。

21.うららかや枕木枕木汽笛汽笛(哲央)
【星人評】
スピードに任せ、体を揺らしてエンドレス。
列車音のリズムが定型の意識を取り払っている。
自由な気持ちで読ませてくれる面白い一句。

23.銀河系宇宙脈打つ落花かな(星人)
【朝吹英和さん評】
引っ切り無しに散りゆく花吹雪もまた生命力の
象徴である。気宇壮大な世界が魅力的。

24.禅寺の角を曲つて揚羽来る(ゆう)
【於保淳子さん評】
何気ない風景ですが、禅寺の角から出て来た揚羽は
何かの魂を運んでいるような気がします。

25.陸果つるまで菜の花の叫びかな(星人)
【鈴木浮葉さん評】
陸(くが)果つる先は青い海。そこまでずーっと
菜の花畑。たぶんきっと狂おしい黄色い悲鳴。 

【松本龍子さん評】
一読、一面の菜の花が見える。むせ返るようないのちの誇張。「叫び」という
言い方のために見える陸すべてが菜の花であるような印象を受ける。まるで
菜の花が意志をもって陸の果てまでのびているような捉え方である。作者の
直感的な「感動」も見えてくる。

【高橋雅城さん評】
「陸果つる」というので岬に菜の花が咲き溢れんばかり、
「叫び」というので断崖となっているその岬を思い浮かべました。
これ以上踏み込めば断崖より落ちてしまう、しかし菜の花は咲き誇っている、
ひいては地の色をみせず菜の花が咲き、その黄色と海の青との
コントラストを見せている、そのさまを「叫び」という
言葉であらわしたのが非常にいいと思いました。

32.ぞろぞろと星食ひにくる牛蛙(龍子)
【服部一彦さん評】
こういうふうに平叙されると至極当たり前の様な気がしてくる。
古事記の世界に迷い込んだような懐かしい抒情。

【真矢ひろみさん評】
星と牛蛙の取り合わせの妙

【小出哲央さん評】
中七の「星食いにくる」が牛蛙ののそのそとした緩慢な動きを表しており、
また地上にいる牛蛙と星の空間の広さが見事だと感じました。

【五島高資さん評】
たしかに異形なる牛蛙の内部はブラックホールのようにも思われる。
奇抜な着想だが妙なリアリティがある。
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5月句会「選句」

2017/05/03 10:32
  5月句会「選句」

6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
5月10日(水)午後5時締め切り

1 ほつほつと元気をもらう芽吹きかな
2 生涯を縄目のマスクメロンかな
3 春深し手放し難き野草図鑑
4 稲妻を避けながら行く認知症
5 ダリア植うかつて人妻たりし土
6 石段を昇りて一つ花菫
7 ぶっきらぼうに父の霊佇つ春の夢
8 風光る派手な帽子の映画スター
9 咲き初めて花より花のしだるるを
10 そよかぜに波と散りゆく桜かな
11 プリズムに夢の分光五月来る
12 春疾風源義の頸攫ふまで
13 木登をしてみて今日に五月かな
14 流木に絡みて青きクレマティス
15 山藤の枝垂れ加減も甲斐路かな
16 すみれ摘む空の芯まで眩むとき
17 メーデーやお茶漬けさらさら父ちぢむ
18 椿落つレコンキスタの赤き土
19 春愁や無言を包む小糠雨
20 鳴り止まぬ隣家の目覚まし昭和の日
21 うららかや枕木枕木汽笛汽笛
22 悲嘆の方が不安よりまし花吹雪
23 銀河系宇宙脈打つ落花かな
24 禅寺の角を曲つて揚羽来る
25 陸果つるまで菜の花の叫びかな
26 見えぬもの見えてくるなり鑑真忌
27 讃美歌の終わり涙の四月かな
28 レモン棚を透かして碧き空五月
29 春の陽の彩りに生る睫毛かな
30 みちのくや花の下にて眼を擦る
31 階段の三段おきに夏きざす
32 ぞろぞろと星食ひにくる牛蛙

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4月句会「結果」

2017/04/11 10:04
  第55回 4月句会「結果」
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※次回5月句会は2句出しで
 4月30日(日)午後5時投句締め切り
 選句は5月7日までの一週間です

特選句 選評集

4 雁風呂や身の内過ぎる海の声(一彦)
【大津留直さん評】
北へ帰る雁が途中で力尽き、落ちて死んでしまうことがあるらしい。
それを供養して炊いたのが雁風呂である。詠者はそれを思いつつ海岸に佇んでいる。
すると、海の声が自分の身体を通っていったように思えたのである。
その声が何を語ったのか、句は語らない。しかし、暗示されているのは、
詠者自身が雁と同じく死すべき者であり、それ故にこそ、現在を大切に
生きるべきだということである。死すべき身としての人間の空虚を通して語る
海の声を読者に聴かしめる秀句である。

10.見失ふ存在理由花吹雪(浮葉)
【加藤昌一郎さん評】
私にとっていま必要なものは仮設トイレだけでした。

11.セロリ噛むすっきりしゃんと弥生かな(桃江)
【朝吹英和さん評】
香り高いセロリの食感が春の到来に相応しい。
中七の措辞が効果的。

16.東風吹けばたゆたふ星の光かな(高資)
【森信之さん評】
星がよく見えたりそうでなかったり、静かな澄んだ夜。
それらが「たゆたふ」という表現に見事に凝縮されている。

17.腋の下から赤子うまれて山笑う(昌一郎)
【服部一彦さん評】
悉達多は摩耶夫人の右腋から生まれたという。
この句は一読して、佳き時候にすんなり健康で生まれた赤子の未来を
寿いでつくられたものと思い、心からおめでとうと言いたくなる。

19.棒高跳び鬼の結界見て帰る(昌一郎)
【真矢ひろみさん評】
あの運動の緊張と弛緩の刹那に
俳諧味を感じました

21.春の波母胎を揺らす響かな(ひろみ)
【小出哲央さん評】
春は新しい生命の生まれる季節。柔らかな春の波がそれらを促している
ような、優しい空間の広がりを下五の「響かな」に感じました。

24.立ちのぼる土の匂ひや寒明ける(直克)
【五島高資さん評】
暦上だけでなく、実感として春の息吹を大地から
感じ取っている。

27.明日あるを疑はず蛇穴を出る(星人)
【鈴木浮葉さん評】
明日あるを疑はず蛇穴を出る・・・・まあ、そう
なんだろうな、身につまされます。

【高橋雅城さん評】
蛇も穴を出づる候となった。蛇は越冬のときからまり一塊となって越冬すると
聞いたことがある。蛇は地中深く潜って一冬を越す変温動物だからそのように
一塊となって熱の放出を防ぐことも必要なかろうと思う。定かは不勉強なので知らぬ。
しかし、想像するにそのさまは不気味であるとともに官能的である。
蛇は春、勢いよく穴を出づるとは考えにくいが、明日あるを疑わず蛇が穴より出づるさまは
蛇の勢いを連想させ、フロイト的でありまさしく春という季節を象徴しているようだ。

28.満ち足りて画廊出てゆく春の闇(ゆう)
【加藤直克さん評】
吸い込まれるように絵に浸りきり、外に出てみると辺りは暗くなっていた。
その暗さが却って絵の印象をそのまま守ってくれている、ということだろうか。
こういうことはコンサートでも起こるような気がするが、
芸術の世界と日常との交錯をゆくりなく表現していて好ましい。

【石田桃江さん評】
こころの充足を覚える絵画に出会われたのでしょうか。
満ち足りて外に出ると春の闇。ますます余韻が広がります。

29.青銅の襞やはらかき朝寝かな(星人)
【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。この句は春の寝過ごしてしまう寝心地と
青銅の襞がやわらかく見えた瞬間の同化が眼目である。おそらく
カーテン越しに朝の光が青銅の仏像か花器にあたっているのだろう。
影で逆光になった青銅の襞の部分は凹凸が消されてうすく、やわらかく
見えたという作者の「感動と発見」がある。

31.若衆の研ぐ包丁や水温む(哲央)
【於保淳子さん評】
若い料理人が、一心に庖丁を研いでいる。料理長の下での修行しているのかもしれない。
水温む季節で、緊張の中にもこれからの仕事に向けての期待や夢が感じられます。

【星人評】
砥石に滑る包丁をつつむ水。その輝きに春を感じた。
労働の中で展開する「水温む」が新しい。


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4月句会「選句」

2017/04/03 11:43
  4月句会「選句」

6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
4月10日(月)午後5時締め切り

1 絶妙な呼吸深呼吸四月
2 空中に×を描いて紋白蝶
3 合格の絵馬の嘶き梅香る
4 雁風呂や身の内過ぎる海の声
5 菜の花や天武・持統の比翼塚
6 あのあたりシンゴジラゆく朧なら
7 四本の釘に流れる春茜
8 花冷えの石塀小路や「一味」振る
9 龍天に登らしめたる海の嵩
10 見失ふ存在理由花吹雪
11 セロリ噛むすっきりしゃんと弥生かな
12 風のむた洞に吹き入る花片かな
13 春雨にけむり立ちたる杉生かな
14 豌豆の伸び伸び結ぶ絆かな
15 落人の行きけむ渓の山桜
16 東風吹けばたゆたふ星の光かな
17 腋の下から赤子うまれて山笑う
18 白梅の夢の中でも匂ひけり
19 棒高跳び鬼の結界見て帰る
20 春めきて空の青さの響かな
21 春の波母胎を揺らす響かな
22 開ききるまでの時じく白木蓮
23 今生より還る心地や春の海
24 立ちのぼる土の匂ひや寒明ける
25 春眠し読み物を手にあれこれと
26 沈丁花記憶の底の揺らぎかな
27 明日あるを疑はず蛇穴を出る
28 満ち足りて画廊出てゆく春の闇
29 青銅の襞やはらかき朝寝かな
30 ティーバッグより悠久の春夕焼
31 若衆の研ぐ包丁や水温む
32 いぬふぐり囲むランドセルの真っ赤

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3月句会「結果」

2017/03/07 19:28
  第54回 3月句会「結果」
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※次回4月句会は2句出しで
 3月31日(金)午後5時投句締め切り
 選句は4月7日までの一週間です

特選句 選評集

3.まっさらのルーズリーフを開き春(雅城)
【朝吹英和さん評】
春到来。新しい年度の始まりの季節であり新入学、就職の
季節でもある。スタートへの意気込みと春への祝意が心地
良くコラボしている。

【星人評】
ルーズリーフには一般学習用罫線のほか、無地、方眼など
さまざまある。そのなかで楽譜用を思った。
これから春の曲で埋められるのだ。

9.陽炎や己に怯え震へをり(浮葉)
【五島高資さん評】
近くて遠いものは自己かもしれない。
その不可解と陽炎がうまく共鳴している。

14.山肌のくしゅんくしゅんと春霞(哲央)
【森信之さん評】
中七の「くしゅんくしゅんと」が山肌と春霞の両方を
旨く表現している。全てこの中七に尽きると思う。
一度覚えれば中々忘れない句というのはこういう句を
言うのだろう。

16.ぽったりと一房の花山静か(淳子)
【加藤直克さん評】
「ぽったりと」がよく利いている。誰を意識するのでもなく、
艶やかさと物憂さとを惜しげもなくさらす一房の花。どこか
泉鏡花の『高野聖』の世界に魅入られていくような感覚がある。

17.ゆらゆらと光ゆるめる春の川(直克)
【石田桃江さん評】
ようやく春が来てのどかに流れる春の川の
感じが伝わって来ます。
光ゆるめるをいただきました。

19.指先に纏はるひかり水の春(ひろみ)
【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。視界の中に指先が見え、同時に
からみつく光が見えているのだとしたら、指先は数本の
指だろうか。雪解けの水が湖沼や川をうるおし、豊かに
流れる中に、掌の指先を浸している。作者はその指先に
付きまとう「いのちの光」に感動しているのだ。

20.夕空に蒼き一画日脚伸ぶ(信之)
【小出哲央さん評】
段々日が伸びてきた夕空の光景を鮮やかに描いている。
蒼き一画の言い切りが心に響く。

21.うぶすなに力あつめて涅槃西風(ひろみ)
【大津留直さん評】
この句には、分別知が働く直前に、ふっと口をついて
生まれてきた力と新鮮さが籠っている。句意はおのずから明確。

24.伴天連のゆび初蝶を金粉に(昌一郎)
【真矢ひろみさん評】
(絢爛な)物語を垣間見せるということも、俳句の
作り方、そして楽しみ方の一つだと考えています。

25.腹の底から吐ききつて二月尽(高資)
【鈴木浮葉さん評】
何かことがあったのか、ただ寒い冬をやっと耐えたのか、
すべて力を尽くしてやっと二月が終わった、感がいいです。

【於保淳子さん評】
冬の厳しさでしょうか、ぐっとこらえていたものをすべて
吐き出して、新しい季節へ向かうのでしょう。
力強さを感じました。

30.いつせいに駆けおりてくる春の水(星人)
【服部一彦さん評】
春が来た。雪解けの水が八方の山から里を目指して
大小それぞれの勢いで流れ出す。その喜びを慈しむ
人々が見える。

【高橋雅城さん評】
冬とは「殖ゆ」の意味合いだと聞いたことがあります。
その「殖ゆ」が臨界に達し、いっせいに駆けおりるという様になって
現れたのだと思います。生のとどまることを知らない奔逸さ、春という
始まりがよく伝わってくるある意味性的ですらある佳句だと思いました。

31.雁風呂の浮力に体あづけをり(星人)
【加藤昌一郎さん評】
悲運の雁を思えば雁風呂の哀れさが、作者の優しさと
同じ感動で私を感動させます。


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2月句会「結果」

2017/02/07 18:48
  第53回 2月句会「結果」
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※次回3月句会は2句出しで
 2月28日(火)午後5時投句締め切り
 選句は3月7日までの一週間です

特選句 選評集

1.寒禽の餌に赤い実の行方かな(桃江)
【五島高資さん評】
木の実が色づくのは、鳥などに見つかりやすいようにそうなると
いう説がある。森羅万象のふしぎな関係性を思わざるを得ない。
果肉は鳥の体になり、種は遠くへ運ばれて木の子孫が拡散される。
冬であればなおさら実の赤さが目にしみる。

3.枝打ちの山深々と暮れにけり(信之)
【大津留直さん評】
「深々」は「しんしん」とも読めるが、私は「ふかぶか」と読んだ。
山の木々の枝を落とす作業をすることによって、その同じ山がこれまでよりも、
深いところまで見えて、ふかぶかと感じられてきた。そこに訪れた夕暮れも、
そのことによって、ふかぶかと感じられたのであった。
その身体的発見がこの句を生かしている。

6.建國の記念日今日に薪を割る(雅城)
【石田桃江さん評】
斧を使い薪を割る行為が
古代の人々の生活に思いをはせ
建国の記念日とのつながりをいただきました。

8.しののめや納豆をかき回したる(高資)
【真矢ひろみさん評】
しののめに納豆を付けるとは・・・。
なかなかいい味と感じ入りました。

10.波高き棄教の浜の水仙花(直)
【加藤直克さん評】
最近、遠藤周作の「沈黙」が再度映画化されたと聞く。
棄教という信仰の極限においてイエスの愛とは何かを問うている。
そこにナルキッソスの名を持つ水仙花を持ってきたことは意味深長である。
バッハのマタイ受難曲も、「我こそがユダである」というコラールを
通して同じテーマを追求しているように思える。

12.寒落暉呑みて蛇行の筑後川(直)
【加藤昌一郎さん評】
九州には宇佐神宮と国東半島の参拝に2度行っただけで、その
後は行きそびれてしまった。まだ幾つか拝観したい所はあるが、も
う米寿の体では無理であろう。そんな私にとって九州の災難は辛い。
27の九頭竜も同様ご災難で句も良いが、未見の筑後川への感傷
がこの句を特選にさせました。

15.理髪店から出た貌の末黒葦(龍子)
【鈴木浮葉さん評】
想像してとても愉快だった。すっきり刈り上げすぎた葦。

【服部一彦さん評】
春の野焼き後に顔を出した葦の新芽。その初々しさを讃えた。
さらっとした表現が良い。

16.春めきて置いては開く旅の本(淳子)
【朝吹英和さん評】
旅行の季節が待ち遠しい頃、あれこれと旅の
企画を考える気分が季語とマッチしている。

17.冬の月捕らへむとする蜘蛛がゐて(一彦)
【於保淳子さん評】
寒々とした月と黙々と網を張る蜘蛛の一枚の絵が
浮かんできます。地上の小さな営みと空にある凛とした
空気感がつながって、透明な美しさを感じました。

22.狛犬の阿の口を出る寒夕焼(星人)
【小出哲央さん評】
凍える中に凛と立つ狛犬が燃える魂のように吐き出した夕焼け。
薄群青の空が徐々に陽が暮れて行く光景が目に浮かびます。

30.セロ弾きがセロ刺し殺す近松忌(昌一郎)
【松本龍子さん評】
一読、意外性を感じる。セロ弾きがセロを刺し殺している、11月22日であることよ
という句意。「近松忌」の季語が取り合わせとして置かれている。まず近松の代表
作「曽根崎心中」での短刀でお初の命を奪い、返す刃で自らも命を絶ったシーンが
浮かぶ。しかし取り合わせてあるのは何と宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」である。
取り合わせによって季語を寓意化、象徴化することによってセロ弾きの内面を暗示
しているといえるだろう。調べとともに意味の重層化にも成功している。

34.冬川やただぼんやりとした不安(哲央)
【高橋雅城さん評】
この句を、単にそのシニフィエからとらえれば、きわめてくだらない駄句としか
言いようがない。しかし、作者のランガージュは読者をそのシニフィエという
通俗の空項へとじこめるということはしない。「ぼんやりとした不安」という紋切り型の
言葉を、みごとパロールとして屹立させておりそれがこの句の勝ちどころである。
そう確認した上で再度シニフィエへ立ち返ってみると、「ぼんやりした不安」などどうでも
いい言葉であり、この句で一番注目すべきなのが「冬川」という、おそらく涸れた、
生き物らしきものも見当たらぬ風景であることに否応なく気づかされる。





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1月句会「結果」

2017/01/17 21:49
  第52回 1月句会「結果」
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※次回2月句会は2句出しで
 1月31日(火)午後5時投句締め切り
 選句は2月7日までの一週間です

特選句 選評集

2.山茶花の余念なく散る無縁墓(浮葉)
【加藤直克さん評】
情熱的な紅を惜しげも無く散らす山茶花の思いとは何なのでしょうか。
この句ではその答を無縁墓に求めています。無縁墓は身寄りの無い人を
供養する墓ですが、実はどのような墓に入ろうともそれはやがては
無縁墓にならざるをえないのです。そこまでの諦念を取り込めば、
今散る紅のまぶしさもまた格別なのでしょう。
花は哀惜に散り、という道元の言葉を思い出します。

4.偉さうなことは言はない煮凝りは(浮葉)
【高橋雅城さん評】
思わず、「クスリ」と笑えたので迷わず特選としました。
煮凝、本来は煮魚の方が主でその煮汁が固まったもの。
いわば、料理の脇役。だから、そんなに偉そうなことも
言えない、はずなのですが、どことなく放っておけない奴。
ゼリー状のものを食べるのも美味しいし、熱々のご飯に
乗っけて溶けかけてゆくのを食べるのも美味しい。脇役で
ありながら捨てておけない、なかなかニクイ奴。
それが煮凝。そのことがうまく表されていると思いました。
この句の独特のユーモアは、坪内稔典先生の句を思い起こさせました。
そうして、やはり上五から中七にかけての語調のよさがあり、
下五が助詞で終わっているのも決まっています。
口語の句なのに旧仮名遣いなのも効いています。

【小出哲央さん評】
煮こごりには様々な具材が入りますが、特に制限がありません。
そんな泰然自若とした様を詠んでいて面白く感じます。

6.歩道橋三寒四温と駆け上がる(雅城)
【石田桃江さん評】
元気、若さ、勢いのある句です。
三寒四温と駆け上がる。
うらやましいかぎりです。

16.遥かなる春の渚に靴の跡(一彦)
【星人評】
東日本大震災から3月11日で6年。今年は七回忌に当たる。
あの波で被災地の砂浜は随分なくなってしまった。
浜から海に向けて遺された多くの靴あと。
大きいものも小さいものもみんなさらわれてしまった。

17.元日といふそれぞれの微光かな(龍子)
【真矢ひろみさん評】
神明は全てに対して公平、平等に降る。
グラスに付いた無数の露に入る光の玉。
それこそ詩そのものか。

21.遠浅に翼をたたむ冬銀河(星人)
【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。海の岸から遠方まで浅い海面に翼をたたんでいる、
冬の冴え渡った空の銀河であるという句意。天上の「冬銀河」と遠浅の
海面に映りこんだ「冬銀河」の対比的な構図は非常にスケール感がある。
その上で作者の「翼をたたむ」というふうに見た「心の動き」が伝わってくる。

24.風花と歩むや鳥の貌をして(星人)
【大津留直さん評】
一読、ドイツの村々のカーニバルの雰囲気を思い出した。
村人総出でそれぞれの仮面をかぶり、衣装を着て、踊りながら練り歩く。
中には、鳥の貌の仮面もあれば、鳥の羽毛をつけた衣装もあり、
キリスト教が支配的になる以前の、土着宗教を垣間見る思いがした。
丁度、二月の一番寒い時期に行われるので、
「風花と歩む」というのがピッタリしている。

【於保淳子さん評】
周りを舞う風花を、鳥のように、ただそれを顔いっぱいに
受けて歩いている。自然と一体になった自分を表現していて、
その楽しさと厳しさが感じられます。

28.金星へ抜ける道ありどんどの火(高資)
【加藤昌一郎さん評】
永井荷風の墨東奇譚の遊郭玉の井の細い裏道には、『抜けられます』と
いう看板が沢山立っていたのが有名だったが、広大な宇宙にも
こんな看板があるとは驚きです。

【朝吹英和さん評】
平安時代の宮中行事である左義長に由来すると言う「どんど焼き」。
燃え上がる歳神の送り火の先に金星に通じる道を発見したロマン
に得心した。

【服部一彦さん評】
はじけつつ昇るどんどの火はどこまで行くのだろうか。
無事金星まで届くだろうか。
古代から火と天とは人間の営みに深い畏怖の念とともにあった。
その伝統を踏まえて詠むと同時に作者の優しい眼差しが感じられる。

30.元日や家に空気の響きあり(桃江)
【五島高資さん評】
「空気の響き」とは、音としては聞こえない振動のことだと思う。
全身で感じる微かな響きに、元旦という一年の始まりの淑気が
うまく捉えられている。

31.手の甲の静脈尖り冬ざるる(ひろみ)
【鈴木浮葉さん評】
昔、手はえくぼがあるくらいふっくらと。
年を経て今は。「冬ざるる」が淋しいです。
でも誰の人生にも春夏秋冬あり、仕方ないです。

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8月句会「結果」 ※次回9月句会は2句出しで 8月31日(日)午後5時投句締め切りです 選句は9月7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 5.道をしへサーカス来ると伝へ聞く(雅城) ...続きを見る

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 『新現代俳句最前線』(北溟社刊) ▼俳誌「歯車」358号 一書一句欄  利腕が不意に檸檬の香を放つ  石母田星人 ...続きを見る

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  ※次回8月句会は2句出しで 7月31日(木)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 6.クレソンの静けさを切るナイフかな(直克) ...続きを見る

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2014/06/16 18:54
今年1〜6月 月例句会結果まとめ
いつもの通り刹那に流れていかないよう、今年上半期を振り返ります。 4月分から横組みになって見にくいかも知れません。ご免ね。 ...続きを見る

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2014/06/10 19:13
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5月句会「結果」
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2014/05/08 14:28
4月句会「結果」
※次回5月句会は2句出しで 4月30日(水)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です  ◇特選句 選評集◇ 2.電線の廻りて富士の暮れ泥む(高資) 【加藤昌一郎さん評】 世界の名物になって脚光を浴びた富士。 花電車のようにネオンの中に立っている。 3.父の骨流木めきて春の月(直) 【加藤直克さん評】 父親を看取ったとき、死にゆく身体が親から子への 一世一代のプレゼントであるような気がした。 命を終えて岸辺にたゆたう流木も、そうした プレゼントの一... ...続きを見る

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2014/04/07 19:06
3月句会「結果」
※次回4月句会は2句出しで 3月31日(月)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です   ◇特選句 選評集◇ ...続きを見る

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2014/03/08 17:44
2月句会「結果」
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2014/02/07 18:30
1月句会「結果」
※次回2月句会は2句出しで 1月31日(金)午後5時投句締め切りです 選句は7日までの1週間です   ◇特選句 選評集◇ ...続きを見る

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2014/01/13 20:15
句会この一年〜まとめ
この一年の句会を振り返りました。 皆さんありがとうございました。 ...続きを見る

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2013/12/24 20:35
浦川聡子さんの枯蓮
いつさいは天上にあり枯蓮   浦川聡子(『眠れる木』より)秋時雨のなか晩秋の池を見てきました。 すぐに聡子さんのこの句が浮かびました。 「天上」という言葉には、 「空の上、この上もない、天に昇る、死ぬ、天上にある世界」など 多くの意味があります。 この句の天上は、枯蓮の印象から、 単に空の上ではなく死とつながるイメージがあります。 荒涼とした湖沼の、しおれた枯蓮の前にいるのです。 枯れて折れ曲がった葉や茎が風で音を立てています。 その場所で天上にいるとても大切な人、 その... ...続きを見る

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2013/10/25 21:24
句集『いいげるせいた』
 福島県喜多方市の俳人五十嵐進氏の第3句集。霧工房・2000円。  帯に書かれた自選15句は〈冷蔵庫の母の夕焼けを解凍する〉〈田園に風の断崖(きりぎし)父という〉〈幽霊のうごくかたちに雪降れり〉〈冬月や金粉法で彫る故郷〉〈少年を脱皮の途中鳥帰る〉〈この道は私を通る泣きながら〉〈君もまた片道だけの天の川〉〈満月のうしろ姿や海の盆〉〈手花火や見知らぬ背中濡れている〉〈百万の蛙の声の浮力にて銀河〉〈野末には首だけの馬かげろひき〉〈わが身とは煙突(けむりだし)とよ春の暮〉〈遠山に人干されおり夕紅葉... ...続きを見る

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2013/07/01 11:31
大石雄鬼さんの『だぶだぶの服』
大石雄鬼さんから、句集『だぶだぶの服』(ふらんす堂)を頂戴した。 帯に書かれた自選句は〈舟虫の化石にならぬため走る〉〈螢狩してきし足を抱いて寝る〉〈象の頭に小石の詰まる天の川〉〈菜の花をシャドーボクサー横切れり〉〈木下闇からだを拭けば赤くなり〉〈胸に綿あつまつてゐる夏布団〉〈クーラーのしたで潜水艦つくる〉〈下半身省略されて案山子佇つ〉〈獅子舞の心臓ふたつもて怒る〉〈磯巾着小石あつめて眠りゐる〉〈やどかりの後ろに妻の巨大なり〉〈ハモニカに映りて滝のやうになる〉〈原子力発電所から春の鹿〉〈田螺... ...続きを見る

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2012/10/12 15:13
金子敦さんの『乗船券』
金子敦さんに第4句集『乗船券』をいただいた。金子さんは「出航」所属。 ...続きを見る

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2012/06/17 12:49
久保純夫さん久保るみ子さんの『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』
久保純夫さんから『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』を頂戴した。 帯文に「句集『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』は、もともと句日記として書いていたものから、俳句だけを独立させたものです。従って、すべて妻である流美子に向かって書かれた俳句になります。二〇一一年六月二五日、流美子がいなくなってからも、俳句は書き続けました。この三六五+αの句の後ろには毎日の想いが填っているのです。そして流美子が久保るみ子として書いた最後の作品になった四八句を収録しました」とある。 妻の入院、退院、ご自宅... ...続きを見る

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2012/06/11 15:16
岩淵喜代子さん『白雁』
岩淵喜代子さんに第5句集『白雁』(角川書店)を頂戴した。岩淵さんは「ににん」代表。 〈万の鳥帰り一羽の白雁も〉〈幻をかたちにすれば白魚に〉〈花ミモザ地上の船は錆こぼす〉〈十二使徒のあとに加はれ葱坊主〉〈今生の螢は声を持たざりし〉〈登山靴命二つのごと置かれ〉〈鳥は鳥同志で群るる白夜かな〉〈月光の届かぬ部屋に寝まるなり〉〈狼の闇の見えくる書庫の冷え〉など、凛とした景や大きな迫力のある構図が目立つ。そんな中、作品に原初の光が射し込み他の句とは違う次元で詠まれているような3句を曳く。〈尾があれば尾... ...続きを見る

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2012/05/20 16:57
山崎十生さんの『恋句』
山ア十生さんに第7句集『恋句』(喜怒哀楽書房)を贈っていただいた。山アさんは「紫」主宰。 〈殺意とは愛の結晶冴返る〉〈まぐはひの正装として遊糸あり〉〈匕首を帯に挟んで青き踏む〉〈手紙から鼓動伝はる青時雨〉〈聖五月耳のうしろに海がある〉〈告白はしないつもりだ額の花〉〈さくらんぼ二つに岐れたるその後〉〈その椅子が泉となってゐたる孤悲〉〈過客とは次の滴りまでの恋〉〈そのもののためにはあらず木下闇〉〈焙煎の汝が耳許にうっすら汗〉〈ことなしの宵闇爪が長すぎる〉〈芋の露おのれを縛り続けたり〉〈シャンプ... ...続きを見る

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2012/05/20 16:15

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