〜月例句会会場〜

アクセスカウンタ

俳句飄遊

プロフィール

ブログ名
俳句飄遊
ブログ紹介
(Since 2011 June 2,)
画像
zoom RSS

8月句会「結果」

2016/08/07 18:33
  第47回 8月句会「結果」

画像

※次回9月句会は2句出しで
8月31日(水)午後5時投句締め切り
選句は9月7日までの一週間です

特選句 選評集

1.心象の襞より生れし螢かな(英和)
【松本龍子さん評】
一読、発想の意外性がある。脳内イメージの壁から
蛍が生まれてきたようだという句意。小さな蛍の明滅と
動きの中に、作者の心の中の「光」を見た驚きが
一句自体に表れている。「心象の壁」が効いている。

2.かき氷くずす先から常世かな(雅城)
【五島高資さん評】
かき氷を崩す刹那に永遠を洞見する詩境に感銘した。

8.一閃の雷を纏ひてフラメンコ(直)
【加藤昌一郎さん評】
名優の舞うフラメンコのように完璧な句の姿。
素晴らしいです。

【星人評】
流線を描く衣裳の裾。
その裾の動きを置き去りにするダンサー。
肉体にまとった躍動を「雷」とした感覚に好感。

11.蜘蛛の巣の油じみたる真昼かな(昌一郎)
【石田桃江さん評】
真昼の暑さに油じみの蜘蛛の巣となっている。
ネバネバ、ベタベタ、身近によく見る蜘蛛の巣。
顔にからまると少々厄介です。油じみの蜘蛛の巣を
想像していただきました。

12.腑に落ちるまで水飲んでいる昼の火事(昌一郎)
【鈴木浮葉さん評】
腑に落ちるまで水飲んでいる昼の火事・・・
腑に落ちるまで、が面白い。そうだったのか!

【服部一彦さん評】
昼火事は鎮火した。現在は出火原因の現場検証中である。
あたりを支配する奇妙な空漠、索漠感、不条理な設問―
出しっぱなしの水道管、それを飲むのは出火元の人ではない、
野次馬でもない。火事自体である。

13.郭公の谺ほどけてゆく五感(星人)
【ゆうさん評】
郭公の声の残響が身体と心に溶けていく感じです。

16.夕焼の底ひを兵と馬の列(星人)
【真矢ひろみさん評】
写生句かもしれぬが、この列は記憶或いは幻影と読む。
夏は昭和、大戦の記憶が蠢く季節。

23.閑かさや飛び立つ前の兜虫(高資)
【山田紗由美さん評】
閑かさやの切れが良く効いている。
静観な中に秘めた思いが感じられる。

25.胸中に空蝉のゐる残暑かな(龍子)
【毬月さん評】
空蝉のなんとも言えない夏の終わりと暑さゆえに時間が
止まってしまったような感覚は、誰の胸にも何気に存在している
のではないかと感じさせる素敵な一句。

26.うつしよのひらひらとあり片かげり(高資)
【大津留直さん評】
季語は片かげりで夏。炎暑の午後など、太陽がくっきりした影を
作ることを指す。その片かげりを選んで歩いてゆくと、現実がまるで
蝶がひらひらと舞っているように思えてくることを言って、
炎暑によって研ぎ澄まされる鋭い感性が感じられる。

【高橋雅城さん評】
盛夏にして生命感に充ち満ちているはず。
季節の盛りはどこか死せしもの、死にゆくものにうらうちされている。
そうして夏の終わりは弔い事の事始めなのに違いない。
生の豊饒さをどこか人はその身をもって、我がものとできないでいる。
今日の実社会のきな臭さよりもっと本源的な、
死の記憶をたどりなおす季節であるに違いない。

29.空蝉の万を割りて虚空とす(ひろみ)
【加藤直克さん評】
諸行無常を一言で言い表せば、こういうことだろうか。
空蝉は「うつしおみ(現し臣→現人)」が転じたとされる。
空蝉は割るまえからすでに割れており、虚空なのである。
しかし煩悩はそれを認めないし認められない。
だから「割る」という行為を繰り返す。
それ以外に虚空に出会うすべはないからである。

【於保淳子さん評】
長い長い地下生活のあと、やっと地上に出て
脱皮して飛んでいく蝉の生きるエネルギーと、あとに
残された抜け殻という過去のものの軽さ。そこに人の世の
はかなさを思い、その心を重ね合わせてあらわしているのでしょう。


記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0


8月句会「選句」

2016/07/31 23:02
  8月句会「選句」

6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付して返信のこと
締め切り8月7日(日)午後5時

1 心象の襞より生れし螢かな
2 かき氷くずす先から常世かな
3 遠き日の砂の記憶や雲の峰
4 プラトニック・ラブの向こうに飛ぶやんま
5 玉音聴く父の膝なり油照り
6 葉末まで黒き血流る大暑かな
7 かなかなや妻より先に急ぎゆく
8 一閃の雷を纏ひてフラメンコ
9 逢ひたくてぶつかり合って茄子の花
10 雪渓の下端に触れて古塔の秀
11 蜘蛛の巣の油じみたる真昼かな
12 腑に落ちるまで水飲んでいる昼の火事
13 郭公の谺ほどけてゆく五感
14 対をなす白樺見ゆる更衣
15 いつよりか別々に寝て浮いてこい
16 夕焼の底ひを兵と馬の列
17 貨車長し踏切のさき桃源郷
18 筑波嶺に日矢匂い立つ驟雨あと
19 かまつかの焔激しや火刑台
20 目鼻口耳にも重し蝉時雨
21 甘酒を飲み干す母もはや卒寿
22 矢筈薄挿し爽快な気分なり
23 閑かさや飛び立つ前の兜虫
24 ほおずきの売れゆくさまや仔犬の眼
25 胸中に空蝉のゐる残暑かな
26 うつしよのひらひらとあり片かげり 
27 山の日や金剛杖のオブジェ立つ
28 終戦忌沈黙の風ひんやりと
29 空蝉の万を割りて虚空とす
30 草蜉蝣十万億土の寂しさに
31日傘さす女の影あり神楽坂
32 昼寝覚積まれし本の乱れかな

記事へ驚いた ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0


7月句会「結果」

2016/07/07 19:05
  第46回 7月句会「結果」

画像

※次回8月句会は2句出しで
7月31日(日)午後5時投句締め切り
選句は8月7日までの一週間です

特選句 選評集

5.海鳴りの彼方の母やかき氷(英和)
【真矢ひろみさん評】
海はそもそも母とつく。海という字の右下は
母であり、果てのない愛情と、かき氷という
母という記憶の表象との取り合わせ。

【山田紗由美さん評】
スキューバダイビングは、究極のリラクゼーションと
言われますが、大海原という宇宙の母に包まれ、
羊水の中にいた記憶を彷彿とさせるからだそうです。
作者は、海鳴りを聴きながら母のいる彼方を
見つめ...さまざまなことを思い出し、時折、
かき氷のキーンという音で目の前の現実に戻る。
そんな心象風景が浮かんできました。

12.気が向けば滝も身の上話など(昌一郎)
【於保淳子さん評】
滝の身の上話はどんなものでしょうか、
興味をひきます。もしかしたら怖い話かもしれません。
それとも聞いてもらうのでしょうか。

15.いつか朽ちるビルの稜線夏の月(一彦)
【鈴木浮葉さん評】
少なくとも何世紀かあとにはあとかたもない人の文明と
その興亡を見届けるであろう月との対比がいいです。

【五島高資さん評】
いつか建て替えられるビルを思えば、人工物といえども
やはり生々流転。山の稜線もビルの稜線もその一刹那に
過ぎない。夏の月影もまた然り。流麗な音韻も良い。

【星人評】
自然の摂理に従わず造られたものは必ず終焉を迎える。
その時も変わらずに赤銅色の巨大満月が昇る。

16.五月雨の音を止めたるホッチキス(高資)
【毬月さん評】
雨音を止めるのがホッチキスという発想が
上手いですね。雨音だけでなく、五月の憂鬱な気持ちも、
ホッチキスが止めてくれるような気がしました。

21.しつけ糸抜けば一切蟻地獄(ひろみ)
【高橋雅城さん評】
寺山修司のいくつかの映画を想像しました。
風景が一転して別の風景へと転ずる様子、伝統的な
シュルレアリスムの表現であるかのよう。
「一切蟻地獄」の語調の厳しさ、ただならぬ
今の時代の現実感でしょうか。

22.道をしへ死んでいることをしへられ(ひろみ)
【大津留直さん評】
起死回生の機が熟していなければ、
このようなことは絶対に起こらないことに思いを
いたすべきであろう。禅問答における老婆を思い出させる。

24.中心に磐座のある大夕焼(星人)
【加藤直克さん評】
磐座は神の座、依り代であり、ある意味では神そのものである。
また自然にできたものではなく、作られたものであるとも
聞いたことがある。この世のものとも思われぬ大夕焼の
中心に磐座を感じるセンスは、まさに縄文の人々の
精神世界そのものではないだろうか。

【加藤昌一郎さん評】
大和麗し。大景が目に浮かぶ。まさに太陽は
神であり、夕焼けの中心は神の座そのものである。


【朝吹英和さん評】
荘厳な夕焼けに遭遇して言葉を失った経験がある。
自然に湧き上がる信仰心に包まれる至福の時。

【服部一彦さん評】
夕焼けの中心に大きな岩があるとは、すなわち神が
おわしますということ。目を凝らせば確かに
厳然とその姿が見えて来る。大日如来かも。

26.ためらいてひらり離れる揚羽蝶(淳子)
【松本龍子さん評】
一読、揚羽蝶のスローモーション映像が見えてくる。
今月は写生句に秀逸な句が多かったが、中でもこの句は
花に触れる揚羽蝶の「一瞬の時間」を見事に言いとめている。
デッサンのスケッチような「流れの良さ」は、
実はなかなかできるものではない。

32.冷水の眼を洗いたる蓮の花(直克)
【石田桃江さん評】
清らかですがすがしい句です。蓮の花の季語が
生きていると思います。



記事へナイス ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0


今年1〜6月 月例句会結果まとめ

2016/06/23 12:55
   今年1〜6月 月例句会結果まとめ

画像

画像

画像

画像

画像

画像

記事へブログ気持玉 / トラックバック / コメント


6月句会「結果」

2016/06/07 18:12
  第45回 6月句会「結果」


画像

※次回7月句会は2句出しで
6月30日(木)午後5時投句締め切り
選句は7月7日までの一週間です

特選句 選評集

1.一山の闇が息するほたるかな(直)
【加藤昌一郎さん評】
もう80年昔の夏休みに、私は祖父の知人の足利市の
家で一夏を過ごしたことがあった。そこである夜近くの蛍の
名所に連れて行かれた。バスに乗った記憶があるからだいぶ
はなれたところだったらしい。バスを降りてすこし歩くと、
闇の中に息を呑むような光景が待っていた。小山のような
こんもりしたシルエットは蛍の塊だった。そしてその山の形の
光体は一斉に規則正しく点滅しているのだ。近づくとその蛍が
私たちの浴衣の襟に止まり、私たちはたがいに暗闇から
顔だけを光らせて浮遊する深海魚のようであった。
まさに一山が息をしていたのである。

【服部一彦さん評】
蛍だけが息し、点滅しているのではない。
蛍を包むやみもまた息を合わせ呼吸しているのだ。
神秘的な宇宙の営みがそこにある。

【松本龍子さん評】
一読、音が聴こえてくる。刻々と夜が深まる中で作者は
ふと山に目を移すと、山の輪郭を形作っている暗闇が
無数の蛍が息するように光っている。光の明滅に共振する
作者の心音が聴こえてくる。

8.作庭の心に青葉雫かな(英和)
【石田桃江さん評】
目に染みる青葉若葉の頃庭園を眺めて
いると、雫となって心に届いた。
いのちが輝き寿命が延びるようです。
青葉雫をいただきました。

19.尺蠖の這ふ北斎の波のうへ(星人)
【加藤直克さん評】
北斎漫画を彷彿とさせる、洒脱な句。
尺蠖の動きと波とが響き合い、やがては
絵そのものを超脱するところまで暗示している。

20.定型といふ幻想や海鞘を剥く(ゆう)
【鈴木浮葉さん評】
植物でもなく、貝でもない、どうも動物らしい海鞘。
定型なんて幻想でしかないです、取れたて、
剥きたての、海鞘の味の鮮烈さは。

21.一山の傾いてゐる藤の花(星人)
【五島高資さん評】
藤の花が垂直に垂れていればこそ山の傾斜に気がつく。
もっとも、藤の花が傾いていると見ることもできる。
むしろ後者の方に新しい次元が開かれるかもしれない。
それが面白い。

23.いちはつや人魚の匂ひする人と(ひろみ)
【朝吹英和さん評】
青紫色の「いちはつ」の花を眺めている内に迷い込んだ
白日夢の世界。

25.骨壺の喉仏にゐる蛍かな(龍子)
【大津留直さん評】
死者を荼毘に付し、その焼いた骨を骨壺に入れる際、
最後に喉仏を入れる風習があるらしい。
その喉仏に蛍が止まっていたというのは、
もちろん、幻想であるが、その死者の魂を思うあまり、
作者はそこに蛍を見たのである。慟哭の一句である。

【於保淳子さん評】
故人の命がまだそこにある、別れがたい気持ちが
伝わってきます。

26.ことばより生まれてきたる蛍かな(龍子)
【真矢ひろみさん評】
「あ!蛍!」と誰かが叫び、目を凝らすと
薄い緑の炎が徐々に形をなす。・・と読めば、
典型的な写生の句といえるのではないか。

【星人評】
蛍の光景は人間を饒舌にする。
無口な方でも自分の表現で話してくれる。
その言葉一つ一つには、自然への感謝と
その底流にある自然崇拝に支えられた
深い帰依を垣間見ることができる。


記事へナイス ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0


5月句会「結果」

2016/05/10 18:25
  
  第44回 5月句会「結果」

画像

※次回6月句会は2句出しで
5月31日(火)午後5時投句締め切り
選句は6月7日までの一週間です

特選句 選評集

3.平凡を極めて死なむ若布汁(浮葉)
【於保淳子さん評】
平凡がいいのだという悟りのような気持ちを、
普段の食卓にある若布汁で、飾り気なく、
さらっと表現していると思います。

4.連帯の破片と破片鳥雲に(直)
【朝吹英和さん評】
シリアスな現実に言葉を失う。雲間に消え去る渡り鳥の
暗示するもの。

6.つなぐ手を放す時いま鳥雲に(浮葉)
【服部一彦さん評】
人生の分かれ目はたくさんある。その時が分るというのは
なんという寂しさ、また辛いことだろうか。
年を取ればなおさらのこと。

【高橋雅城さん評】
「つなぐ手を放す時いま/鳥雲に」意味の上では、
「いま」あるいは「時」で切れると思います。
スローモーションで映し出される「つなぐ手を放す」瞬間、
それに引き続き、もう少し早めのスローモーションがつづく感じ、
速度の変化というのでしょうか、それが見られて非常に
おもしろいと思いました

19.来し方を光に変へて蜷歩む(高資)
【真矢ひろみさん評】
蜷の持つ螺旋文様は古来、無限の記号であり
光・永遠から出現する様子は、微笑ましく、美しい。

【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。写生句として考えれば巻貝が通過した所を
光に変えながら歩んでいるという、句意だろう。作者の境地として
捉えれば過去を光として巻貝の歩みのように、私はゆっくり生きている
というところだろうか。この透明感は美しい。

【山田紗由美さん評】
来し方を光に変えようという強さを蜷とう小さきものの歩みに
委ねたところが良かったです。

【星人評】
昔、蛍の餌になる川蜷を採った。
小川の底に蜷の這った痕跡があるから、採集はすこぶる簡単。
その痕跡が面白い。グニャグニャと逡巡を繰り返す曲線と直線。
陽光の届いた川底は、たくさんの蜷の道で現代アートのような景観だった。
蜷にしてみれば、餌を獲るのに這い回っていただけなのだろうが、
それはそれは見事だった。今思うとあの川底の光景は、
俯瞰した構図の「洛中洛外図」のような美しさだった。
ゆらめく光と絶えず聞こえていた水音が忘れられない。

20.掴む手を撥ねつけるごと春大根(直克)
【大津留直さん評】
春大根に溢れる生命力を「掴む手を撥ねつけるごと」と身体的に
表現したところが素晴らしい。

【毬月さん評】
春の大根の力強さとみずみずしさを感じます。
齧ると甘いでしょうね。

27.蟇の鳴く空に異次元へのとびら(星人)
【鈴木浮葉さん評】
蟇のあの空しいような不安なようなクェクヮの鳴声が、異次元への
とびらを出現させるんだ、という不思議な感覚。

【石田桃江さん評】
暗くなって独特な低い声で鳴く蟇と異次元へのとびら。
怖い物見たさに開けてしまいそうです。

【五島高資さん評】
以前、「海程」全国大会で熊谷市のホテルに泊まったら
牛蛙の声がうるさくて往生したことを思い出しました。
確かにあれはこの世のものとは思えない凄みがあります。
今年もまた21日に伺います。

30.昏るること許さぬ櫻大樹かな(星人)
【加藤直克さん評】
まさに言い得て妙。「許さぬ」が櫻大樹の圧倒的な質感を
表現しつつ、同時に今にも散ってゆく存在の万感を湛えている。
心に突き刺さる句だ。

【加藤昌一郎さん評】
昏れることを許されない空の大景が背後に拡がり、
この桜の魁偉な量感に圧倒されてしまう。



日刊紙「石巻かほく」が句を募集

 三陸河北新報社は4月から、毎週土曜日の石巻かほく紙面で地域文化面を新たに設け、読者からの短歌・俳句をそれぞれ隔週で掲載します。皆さんの力作をお寄せください。

 選者は、短歌が元女川町教育委員長の佐藤成晃氏(仙台市若林区)、俳句が石母田星人氏(仙台市若林区)です。作品の一部には選評を付けて紹介します。

 募集要項は次の通りです。

 短歌、俳句とも必ずはがきを使い、1枚に3首・句まで。いずれも自作の未発表作品に限ります。作品と同じ面(裏面)に氏名(筆名の場合は本名も)、住所、年齢、電話番号を記し、〒986−0827石巻市千石町4の42、三陸河北新報社編集部・文芸係まで。連絡先は0225(96)0321。

 作品は返却しません。

 掲載作品は三陸河北新報社ホームページ「メディア猫の目」でも紹介します。

三陸河北新報社




記事へ驚いた ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0


4月句会「結果」

2016/04/07 20:34
  
  第43回 4月句会「結果」

画像

※次回5月句会は2句出しで
4月30日(土)午後5時投句締め切り
選句は5月10日までの10日間です

特選句 選評集

1.電磁波の塔は鈍色春驟雨(雅城)
【加藤直克さん評】
電磁波の塔とはなんだろう。送電線の鉄塔かそれとも
テレビ塔か。いずれにしても現代の生活になくてはならない
ものであるが、同時に電磁波の害ということも見過ごすことは
できない。しかし電磁波を大きく捉えれば宇宙そのものであり、
生命の根源でもある。そのようなさまざまな意味を含む電磁波の
色として鈍色はいかにもふさわしい。そして鈍色はなぜか
春の愁いにも溶け込んでいる。まさに俳句ならではの表現である。

4.籠り居の格子をまたぐ春銀河(直)
【加藤昌一郎さん評】
蕪村のようなシャイな老人が篭る閑居に、
胸襟を開きあう銀河が訪ねてきた。
「格子をまたぐ」に二人の人格や友情の質が暗示され
これから始まる清談の中身まで想像させて楽しい。

15.老桜空におのれの時浸す(直克)
【大津留直さん評】
老桜が空に万朶の白花を広げている風格が髣髴される。
と同時に、作者自身の老身の自然と一体となった呼吸が
聴こえてくる。「時浸す」という表現が秀逸。

18.春風やバランスボールにこころ置く(紗由美)
【生田亜々子さん評】
春風とバランスボールの取り合わせがよい。
吸収しつつ跳ね返しつつも肩の力を抜いている感じが
春の持つイメージとよく合っている。

【石田桃江さん評】
バランスボールでエクササイズする様子に
ここちよさが伝わってきます。
春風の季語とよく合っていると思います。

【於保淳子さん評】
春になって心がうきうきと、でも、どこか揺らいでいる。
どうしようかと、バランスボールに自分の意識をおいて心の
おさめどころを探している、春らしい軽やかな印象の句です。

20.花吹雪浴びてオウムの言葉増え(昌一郎)
【服部一彦さん評】
あっけらかんと春が来る。昔の久保田万太郎の様な。
こういう句が増えるともっと楽しくなるのに。

【山田紗由美さん評】
花吹雪を浴びて興奮しているオウムが想像できます。
感覚の良い句だと思いました。

【星人選】
近所にいたオウムを思い出した。
彼は芸達者で、童謡「里の秋」の一番をまるごと歌った。
ただ「ああ母さんとただふたり」のところを
「ああ父さんよごぶじでと」と三番の歌詞で歌っていた。
歌を教えたおばあちゃんは花の散る頃亡くなった。

24.弥生尽パンの耳残してしまふ(亜々子)
【高橋雅城さん評】
パンの耳とはいえ、ふわふわのパンの耳を想像してしまいます。
食べ物を残すというと、咎められることもあるけれども、
ほんのささやかな贅沢を思わせ許してしまいそうですね。

25.我を成す兆の細胞うららかに(ひろみ)
【鈴木浮葉さん評】
人体は37兆2000億個の細胞で出来ているというのが
最新の研究結果らしい。昔は60兆とか言われていたのに半分ほど
になった。いや、私個人としてはどんどん減っていってる感じ。
どうぞ、うららかに、と体全体ののびやかさを願ってはいるものの、
細胞の再生は滞ってます。元気な優良細胞再生求む、
と思いつつ春の日にぼーっとしています。

26.陽炎を横切つて行く三輪車(亜々子)
【毬月さん評】
陽炎を横切るという三輪車、子供かもしれないし大人かも
しれないが、かつての自分これからの自分かもしれない。
その自分が陽炎を通して語りかけてくるようで。
陽炎を通して、ここにいない自分と語る時間を感じました。
この三輪車は陽炎を横切って空高く走って行きそうですね。

29.金箔をふるはせてゐる春の星(星人)
【朝吹英和さん評】
遠い宇宙の彼方に光る春の星が眼の前の金箔を
震わせているという発見に詩情を感じる。

【真矢ひろみさん評】
再生と光、そして残酷な春という季節を
衒いなく表した句だと感じました。

32.初蝶の零してゆきぬ夜のかけら(星人)
【松本龍子さん評】
一読、不思議な詩情を感じる。「夜のかけら」を
どう解釈すればいいのだろうか。「昼」または「生」の
「余光」ととらえれば「初蝶」は単なる季語ではなくて、
あるものの象徴なのだろう。戸外の風景というよりは
室内の窓からの視点を感じる。「月」または「星」という
直接的な表現よりは「夜のかけら」としたことが重層の
曖昧さを生み出している。音が聞こえてくる、好きな句だ。

【五島高資さん評】
冬を経て初めて見る蝶ゆえに活き活きと感じられる。
羽ばたく度に春の夜が少しずつ深まっていく。


記事へナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0


続きを見る

トップへ

月別リンク

画像 8月の蝶 かき氷くずす先から常世かな     雅城 
俳句スクエア月例句会会場
俳句飄遊/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる