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6月句会「結果」

2017/06/09 14:33
  第57回 6月句会「結果」
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※次回7月句会は2句出しで
 6月30日(金)午後5時投句締め切り
 選句は7月7日までの一週間です

特選句 選評集

3.ゆきずりに五月の空の蒼すぎる(ひろみ)
【高橋雅城さんの】
評は16日以降になります

4.蛇の衣遺体置場に赤い靴(龍子)
【大津留直さん評】
おそらく、作者は東日本大震災の後に、遺体置場で見た小さな赤い靴を
忘れることが出来ないのだ。しかし、今、その赤い靴を履いていた少女の魂は、
あたかも、蛇が脱皮した衣を残してどこかで生きているように、その赤い靴を
この世に残して、天国で元気に跳ねまわっていると思うことにしたのだ。

【星人評】
俳句にはどれもドラマがある。どんな光景か定かでないが、
私は6年前を思い出した。遺体安置所の様子は暴力的だった。
あの光景の中に赤い靴があったら、きっと憶えていただろう。
鮮やかな赤色には思いを絶たれたむなしさが滲んでいる。
中七の場所を外して「蛇の衣と赤い靴」だけでも詩になりそうだ。
体が大きくなると靴は小さくなる。靴は蛇のもぬけと似ている。

5.白鷺の八方睨みの孤独かな(一彦)
【朝吹英和さん評】
周囲を睥睨しつつ微動だにしない白鷺の姿。
孤高の存在とも見えた白鷺には自己の孤独な魂が投影されているようであった。

【五島高資さん評】
鳥の視野は八方睨みと言って良いほど広いようだ。外敵を素早く察知して
避難するのに適しているのだろう。ただそれだけ臆病ということかもしれない。
見えないものを信じることが出来ない孤独もそこに感じられる。

7.夏魚焼いて太虚のはじめかな(基道)
【森信之さん評】
日常の生活と太虚という大いなるものとの取り合わせにより、
我々は大いなるものに生かされているのだなあと感じさせられる一句。

14.陽の方へ地軸傾げて田水張る(直克)
【加藤昌一郎さん評】
作業の効率を上げるため、太陽に向って地軸を傾けるという発想の大きさが、
見事な絶景を作りました。案山子も田圃の護り甲斐があるでしょう。

【真矢ひろみさん評】
アングルの転換が眼目。地軸を持ち出したところ
に好感。

20.目借時ローカル線の車中かな(信之)
【石田桃江さん評】
電車に乗っているとリズムのある揺れが心地よくうつらうつらと
眠くなってくることがあります。また、ローカル線によりゆっくりと
時間が流れてゆくようです。目借時の季題がよいと思います。

27.噴水の眠むそうに痒そうに斜め(昌一郎)
【鈴木浮葉さん評】
痒そうに、が秀逸。楽しいです。

31.蛸廻る洗濯槽の唸りかな(ゆう)
【加藤直克さん評】
取り付く島のない句、何を鑑賞したら良いのか分からない句である。
でもなぜかおかしく、悲しく、恐ろしい。解釈されることを拒否しているとも取れる。
しかしポエジーは感じられるから不思議だ。

32.水音を水が持ち去る薄暑かな(星人)
【服部一彦さん評】
中七のお陰で水の音だけでなく動きや匂いまで伝わってくる。
薄暑という季節の鋭敏さを共感することが出来た。

【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。水音を水が持ち去っている暑さを感じる気候であるという句意。
こう言われると、読者は流れる「水音」がすぐさま次の水に消されてゆく映像を思い
浮かべる。水の存在は「水音」として時空に浮かんでいる。その存在を「水が持ち
去る」とはなんと意表を突く発見だろう。俳句はこういう遊びもできるのだ。

【於保淳子さん評】
水の流れやその音に動きが感じられ、初夏の暑さに
涼やかな印象を与えていると思います。

【阪野基道さん評】
ゆく川の流れが音を運び去るとは、なんとも洒落ています。
水音は、常に新しい音。その水の淡さと薄暑の穏やかさが、
日本的な情緒を一段と高め合っています。
そして、水は、静止をすれば無音。

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