9月句会は9月10日(土)午後5時投句締切の3句以下出し
8月句会「結果」
◇特選句 選評集◇
4.水打ちて腹式呼吸のよみがえる(淳子)
【児玉硝子さん評】
水を打ち、心広々の感、と同時にわが身も周りの世界も深く複式呼吸をしているようだ。
8.硝子戸に地球儀傾ぐ原爆忌(高資)
【加藤直克さん評】
地球儀が傾いて硝子戸にもたれかかっているという危うさが、核戦争の瀬戸際とも言われる国際情勢を象徴的に表しているように思える。
【大津留直さん評】
作者は、広島か長崎の原爆資料館で、原爆が落とされた当時、家の窓際に置かれていたため、焼けただれた地球儀を見たのであろう。そして、今なお、核の脅威にさらされ続けている地球を深く思ったに違いない。それにしても、核廃絶への道は険しい。
12.夢多き少女の瞳飛魚跳ぶ(英和)
【服部一彦さん評】
簡潔な表現が好もしい。季節感も十分。
22.閉館の岩波ホール流れ星(硝子)
【鈴木浮葉さん評】
特別、岩波ホールファンだったわけではないのだが、昔からの気骨ある映画館が消える、たとえようもない、寂しさ。
【朝吹英和さん評】
東京都神保町にあった「岩波ホール」が54年の歴史に幕を下ろした。映画文化発信地の消滅・・・流れ星の抑えが哀感を増幅させる。
【眞矢ひろみさん評】
わが青春の岩波ホール、高野悦子とビスコンティ
23.かき氷外から中が見える店(硝子)
【森信之さん評】
子供の頃は、夏といえばよくかき氷を食べに行った。外から中がすっかり見える小さな店、テーブルがあっても二つ三つ。懐かしさで一杯です。
25.胸中に一物もなし茅の輪かな(信之)
【松本龍子さん評】
一読、「霊妙な篳篥の音」を感じる。<茅の輪>とは茅または藁を紙でつなげて輪形をつくり、神社の鳥居・拝殿・神橋の橋づめなどに設け、災厄を祓う。陰暦六月晦日の夏越の祓の時に無病息災を願う習俗。<胸中に一物もなし>とは何か。神に祈る時、人間の血はぶるぶると動く。その時に胸の内に思っていることは何も無い、絶対無であるという句意だろうか。自由に魂が抜けたり入ったりする日本人や作者にとって、<胸中>というのは、からっぽが実相なのだろう。
30.誘はれて踊に入るや車椅子(直)
【於保淳子さん評】
車椅子で盆踊りを見ていたら、一緒に踊りましょうと誘われ、車椅子を押してくれたのかもしれない。誘う人の優しさや一緒に輪に入る嬉しさが伝わってきます。
【五島高資さん評】
「や」で切れるなら、車椅子ごと自ら踊り加わるのではないだろう。辛うじて歩ける人が何とか頑張るというのも他愛ない。そうすると、介護者が車椅子を押しながら参加したというのが妥当だろう。もっとも、介護者だけが参加して車椅子が残されたのであれば悲しいが。いずれにしても、盆踊りなら、人の輪と車輪も共鳴して、「切れ」による高い詩境が立ち現れる。
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