眞矢ひろみ句集『箱庭の夜』

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表紙の帯文にはDavid Burleighさんの紹介文がつづられている。
「箱庭の夜」は、読者をある私的な王国に誘います。作者―眞矢ひろみ―の世界は影と記憶で形作られ、想像力で高められ虹によって輝いています。各々の俳句には訝しげで少々取り憑かれたような趣もありますが、人生を送る上での実体験や高野山からドナウ川まで及ぶ具体的な地理環境に裏打ちされたものです。伝統的な暗示の手法や現代の口語を用いながら、思索と思いがけない遊びの世界を繰り広げ、読者を楽しませてくれます。(David Burleigh)

また、裏表紙の帯文にはこの句集に寄せた作者の思いがつづられる。 
「箱庭の有りよう」
句集のタイトルとした〈箱庭〉は
言葉 イメージ 音などの素材を配して 景や文脈などを構成 造形する場であり 極私的なものです
場とは申しても 江戸後期に流行し夏の季語でもある〈箱庭〉のような仮想空間の類ではなく
むしろ現代 ユング派の心理療法に使われる〈箱庭〉の機能そのものに近いかもしれません

勤め人として仕事を終えて帰宅し 遅い夕食をとり 家族も寝静まる夜更け過ぎ 
箱庭に様々な素材が群がります
例えば
通勤の車窓から観たビル屋上のラジオ体操 コンビニのレジ前に佇む父の霊 愛国を語るJKたちの笑い声 得意先のネクタイを登る斑猫 子供のころ見た粉末ジュースを溶かす渦 など
日常の中でふと気付いたり 思い出す 些事ですがかけがえのないものです
(「箱庭の夜」に寄せて―著者)

この二つの文章に目を通してから中の三百の句を味わっていただきたい。
ちょうどいい水先案内となる。二つの文章に揺られてたどり着くのは
素晴らしい句の世界だ。中には「俳句飄遊」での高点句も見える。
月例句会で選んだことが誇らしい気がする。
ゆっくりと味わってみよう。
眞矢ひろみさん、ご上梓おめでとうございます。(星人)


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