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4月句会「結果」

2017/04/11 10:04
  第55回 4月句会「結果」
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※次回5月句会は2句出しで
 4月30日(日)午後5時投句締め切り
 選句は5月7日までの一週間です

特選句 選評集

4 雁風呂や身の内過ぎる海の声(一彦)
【大津留直さん評】
北へ帰る雁が途中で力尽き、落ちて死んでしまうことがあるらしい。
それを供養して炊いたのが雁風呂である。詠者はそれを思いつつ海岸に佇んでいる。
すると、海の声が自分の身体を通っていったように思えたのである。
その声が何を語ったのか、句は語らない。しかし、暗示されているのは、
詠者自身が雁と同じく死すべき者であり、それ故にこそ、現在を大切に
生きるべきだということである。死すべき身としての人間の空虚を通して語る
海の声を読者に聴かしめる秀句である。

10.見失ふ存在理由花吹雪(浮葉)
【加藤昌一郎さん評】
私にとっていま必要なものは仮設トイレだけでした。

11.セロリ噛むすっきりしゃんと弥生かな(桃江)
【朝吹英和さん評】
香り高いセロリの食感が春の到来に相応しい。
中七の措辞が効果的。

16.東風吹けばたゆたふ星の光かな(高資)
【森信之さん評】
星がよく見えたりそうでなかったり、静かな澄んだ夜。
それらが「たゆたふ」という表現に見事に凝縮されている。

17.腋の下から赤子うまれて山笑う(昌一郎)
【服部一彦さん評】
悉達多は摩耶夫人の右腋から生まれたという。
この句は一読して、佳き時候にすんなり健康で生まれた赤子の未来を
寿いでつくられたものと思い、心からおめでとうと言いたくなる。

19.棒高跳び鬼の結界見て帰る(昌一郎)
【真矢ひろみさん評】
あの運動の緊張と弛緩の刹那に
俳諧味を感じました

21.春の波母胎を揺らす響かな(ひろみ)
【小出哲央さん評】
春は新しい生命の生まれる季節。柔らかな春の波がそれらを促している
ような、優しい空間の広がりを下五の「響かな」に感じました。

24.立ちのぼる土の匂ひや寒明ける(直克)
【五島高資さん評】
暦上だけでなく、実感として春の息吹を大地から
感じ取っている。

27.明日あるを疑はず蛇穴を出る(星人)
【鈴木浮葉さん評】
明日あるを疑はず蛇穴を出る・・・・まあ、そう
なんだろうな、身につまされます。

【高橋雅城さん評】
蛇も穴を出づる候となった。蛇は越冬のときからまり一塊となって越冬すると
聞いたことがある。蛇は地中深く潜って一冬を越す変温動物だからそのように
一塊となって熱の放出を防ぐことも必要なかろうと思う。定かは不勉強なので知らぬ。
しかし、想像するにそのさまは不気味であるとともに官能的である。
蛇は春、勢いよく穴を出づるとは考えにくいが、明日あるを疑わず蛇が穴より出づるさまは
蛇の勢いを連想させ、フロイト的でありまさしく春という季節を象徴しているようだ。

28.満ち足りて画廊出てゆく春の闇(ゆう)
【加藤直克さん評】
吸い込まれるように絵に浸りきり、外に出てみると辺りは暗くなっていた。
その暗さが却って絵の印象をそのまま守ってくれている、ということだろうか。
こういうことはコンサートでも起こるような気がするが、
芸術の世界と日常との交錯をゆくりなく表現していて好ましい。

【石田桃江さん評】
こころの充足を覚える絵画に出会われたのでしょうか。
満ち足りて外に出ると春の闇。ますます余韻が広がります。

29.青銅の襞やはらかき朝寝かな(星人)
【松本龍子さん評】
一読、詩情を感じる。この句は春の寝過ごしてしまう寝心地と
青銅の襞がやわらかく見えた瞬間の同化が眼目である。おそらく
カーテン越しに朝の光が青銅の仏像か花器にあたっているのだろう。
影で逆光になった青銅の襞の部分は凹凸が消されてうすく、やわらかく
見えたという作者の「感動と発見」がある。

31.若衆の研ぐ包丁や水温む(哲央)
【於保淳子さん評】
若い料理人が、一心に庖丁を研いでいる。料理長の下での修行しているのかもしれない。
水温む季節で、緊張の中にもこれからの仕事に向けての期待や夢が感じられます。

【星人評】
砥石に滑る包丁をつつむ水。その輝きに春を感じた。
労働の中で展開する「水温む」が新しい。


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4月句会「選句」

2017/04/03 11:43
  4月句会「選句」

6句選、そのうち1句が特選
特選句に短評を付してメールで返信のこと
4月10日(月)午後5時締め切り

1 絶妙な呼吸深呼吸四月
2 空中に×を描いて紋白蝶
3 合格の絵馬の嘶き梅香る
4 雁風呂や身の内過ぎる海の声
5 菜の花や天武・持統の比翼塚
6 あのあたりシンゴジラゆく朧なら
7 四本の釘に流れる春茜
8 花冷えの石塀小路や「一味」振る
9 龍天に登らしめたる海の嵩
10 見失ふ存在理由花吹雪
11 セロリ噛むすっきりしゃんと弥生かな
12 風のむた洞に吹き入る花片かな
13 春雨にけむり立ちたる杉生かな
14 豌豆の伸び伸び結ぶ絆かな
15 落人の行きけむ渓の山桜
16 東風吹けばたゆたふ星の光かな
17 腋の下から赤子うまれて山笑う
18 白梅の夢の中でも匂ひけり
19 棒高跳び鬼の結界見て帰る
20 春めきて空の青さの響かな
21 春の波母胎を揺らす響かな
22 開ききるまでの時じく白木蓮
23 今生より還る心地や春の海
24 立ちのぼる土の匂ひや寒明ける
25 春眠し読み物を手にあれこれと
26 沈丁花記憶の底の揺らぎかな
27 明日あるを疑はず蛇穴を出る
28 満ち足りて画廊出てゆく春の闇
29 青銅の襞やはらかき朝寝かな
30 ティーバッグより悠久の春夕焼
31 若衆の研ぐ包丁や水温む
32 いぬふぐり囲むランドセルの真っ赤

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