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zoom RSS 高橋雅城さんの特選句選評集

<<   作成日時 : 2014/06/16 18:54   >>

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 ◇高橋雅城さんの特選句 選評集◇

1月.注文の多い遺書あり雪女(龍子)
【高橋雅城さん評】
「注文の多い遺書」という表現が、なんとも唐突で
想像力をかき立てられ、しかもユーモラスですね。
遺書という以上、覚悟の上で自害をするのでしょう。
そういう切実を詠みながら、クスリと笑えてしまいます。
雪女の出る雪の夜の寒さと怖さを忘れてしまいそうです。

2月.一番寒むそうなフランスパン択ぶ(昌一郎)
【高橋雅城さん評】
フランスパンというもの、
店であるいは街路で売られているものは冷たくて堅い。
フランスパンの堅い質感を寒さと類比したところが
この句を成功せしめている。
一番寒いフランスパンを買った人、
おそらく若い人の、孤独さや、
あるいは一人であることへの矜恃を感じさせる句である。
フランス−パンの句またがりは
非常にスマートにおさまっている。

3月.終止符の潜みてをりし春の闇(英和)
【高橋雅城さん評】
僕には結婚歴がないが、春のイメージでマイナーなものを
思い浮かべるとするなら、嫁に逃げられるということ。
春というとき、成長、発達、進歩……、を
思い浮かべる人も多いとは思うが、
これまでつづいてきたことの突然の終止もあるかと思う。
ぼんやりさ、曖昧さがいわれがちな春という季節にあって、
ものごとが終わることを他律的に「終止符」という
きっぱりとした表現で表した作者の感性は面白いと思う。

4月.揚雲雀キリンの顔を見てかえる(昌一郎)
【高橋雅城さん評】
想像上の動物の麒麟ではなく、動物園のキリンは、面長で
眼と眼の間が離れ、わりと間の抜けた顔をしています。
揚雲雀の絶え間のない気ぜわしさとキリンの顔の
そういった様との対比がまず面白いと思いました。
そうしてこの句は、雲雀とキリンの顔の対比のみならず
作者の移動が関係しています。音でのみ知りうる
揚雲雀の気ぜわしさはいかにも春らしいけれども、
春の気候というものはキリン(の顔のように)穏やかなもの
とした作者の観る位置が面白いと思いました。
図らずも、わたしは「ように」と書いてしまいましたが、
「キリンのごとく……」とせず揚雲雀という具体的なものと
対比させたところが成功せしめていると思います。
仰ぎ見てはキリンと眼が合い、無口なまま
なんとなく微笑みあったようなところがいいですね。

5月.影持たぬは音符と数字春深し(浮葉)
【高橋雅城さん評】
音符と数字以外は影をもつ、しかも晩春の影だから
真夏の影ほどくっきりとしたものでもなく、
しかし影もまた存在感をしめしだしている。
影を持たぬものとして、音符と数字を取り上げたのが
意外であり新鮮であると思いました。後五も非常に生きています。

6月.寡黙さも美学のひとつ猫柳(穏子)
【高橋雅城さん評】
この句を読んで、「猫、ん? 猫柳だったか」と
少し錯覚を覚えました。改めて読み直し、
植物に対して「寡黙さ」と形容したおもしろさを感じました。


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