〜月例句会会場〜

俳句飄遊

アクセスカウンタ

画像

zoom RSS 句集『いいげるせいた』

<<   作成日時 : 2013/07/01 11:31   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像

 福島県喜多方市の俳人五十嵐進氏の第3句集。霧工房・2000円。

 帯に書かれた自選15句は〈冷蔵庫の母の夕焼けを解凍する〉〈田園に風の断崖(きりぎし)父という〉〈幽霊のうごくかたちに雪降れり〉〈冬月や金粉法で彫る故郷〉〈少年を脱皮の途中鳥帰る〉〈この道は私を通る泣きながら〉〈君もまた片道だけの天の川〉〈満月のうしろ姿や海の盆〉〈手花火や見知らぬ背中濡れている〉〈百万の蛙の声の浮力にて銀河〉〈野末には首だけの馬かげろひき〉〈わが身とは煙突(けむりだし)とよ春の暮〉〈遠山に人干されおり夕紅葉〉〈花野来る男や羽をたたみつつ〉〈紅梅の空に白梅夜這えりき〉。

 五十嵐氏とは1996年2月、喜多方市での現代俳句協会「東北青年部第1回勉強会」でお会いした。20数人参加の勉強会、句会、宿泊の手配とすべての段取りをととのえていただき大変お世話になった。そこには高野ムツオ氏、櫂未知子氏、田中信克氏、須藤徹氏らも参加。俳句初心者の私にとって大変貴重なイベントになった。

勉強会に出た五十嵐氏の「新緑の中に出てゆく舌まぶし」という不思議な作品が記憶に残っている。新緑を見るたび湧いてくる。とても印象深い一句だ。この句集『いいげるせいた』にもそんな不思議な句が多い。特にイメージの喚起力の強いのが〈野末には首だけの馬かげろひき〉〈遠山に人干されおり夕紅葉〉〈遺伝子の中を桜の影うごく〉〈建前の家を出てゆく杉の影〉など。読者に眼前の実景の解釈を今一度問うてくる。戸惑っていると「何を見ているんだ」と叱責されそうな気がする。(石母田星人)

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
画像 5月の蝶ぞろぞろと星食ひにくる牛蛙(龍子)
俳句スクエア月例句会会場
句集『いいげるせいた』 俳句飄遊/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる